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787話 ページ37




「あぁ、ひいばあちゃんの財産…」

「知ってるの!?」


家に帰ってから、私はすぐに聞いた

もちろんカジノに行ったことは話してない

言ったら絶対に怒られる…


「それなら今はあちこちに飛んで綺麗さっぱりなくなってるわよ」

「あちこちに?」

「えぇ。国から地球の裏側まで、あちこちに」

「んっと…ボランティアの資金援助ってこと?」

「そう。…あぁ、でもね」

「…?」


そう言って、お母さんは通帳を取り出した

もしかして…!


「もしもの時用にって、へそくりとして家族にいくらかもらったわよ」

「なっ…えええぇ!?」

「ふふっ、これはお姉ちゃんやお父さんにも内緒よ♪」

「う、うん!分かった…!」


こくこく頷くと、私はその通帳を凝視した

あっ、数年前に100万だけ引かれてる

これ、もしかしてお父さんが勝手に使って足りなくなったお姉ちゃんの大学の費用…?


「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…」

「お父さんもお姉ちゃんも、金遣い荒いでしょ?あと口も軽いし」

「ひゃあああぁ…!!う、うん。凄い共感できる」

「Aはそんな事ないから、特別にね」

「びっくりしちゃった私…」


今までこの家は貧乏だからって言われてきたのに

…って!


「これのどこが貧乏なの!?」

「ふふ、それでも使ったほうなのよ?お金があると引かれる金額も増えるし…これ見て♪」

「んん?」


お母さんが嬉しそうに見せてくれたものは、ネックレスだった


「綺麗…!」

「これ、本当は数千万したのよ…♪」ボソッ

「ひゃっ…わ、わわわ私持っちゃった!今手で触っちゃった!!」

「ずっと誰かに自慢したかったのよね〜♪」


私の家、貧乏じゃなかったの…?

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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年2月28日 19時

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