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770話 ページ20




「…Aちゃん、少し説明してくれるかな」

「「ひぃっ!?」」

「…!」


乱凪砂さんが来てくれた…

周りを見ると、スカートをひったくってすぐに渡してくれた

ブレザーとカーディガンを奪うと、手を引っ張ってくれて二人でその部屋を出た


「ら、乱凪砂さん!今のはただの遊びで…!」

「…だから何?」

「「…」」


そのままお店の外まで行くと、カーディガンとブレザーを着なおした


「…」

「…もういないよ」

「あ、ありがとう!ほんと、助かったよ〜♪」

「…怖かったね」


そのひと言で、私はぼろぼろ涙が溢れてきそうになった

でも大丈夫

ぐっと気持ちを堪えて、私は笑顔で感謝した


「本当にありがとう…♪」

「…いいよ。この気持ちも、きっと神が私に人間としての試練を与えているのだと理解し始めたから」

「…?」


ぽかんとしてると、突然乱凪砂さんは私の前に片膝をついた

…え?


「えっと、乱凪砂さん…?」

「…どうか私に、君を守らせてほしい」

「う、うん。ありがとう…」

「…」

「なっ…!?」


手の甲にき、キスをしてきた…

へ、そそそんな…!

私が真っ赤になっていると、乱凪砂さんは笑顔で言った


「…私が"常に"君の味方であることを、忘れないでほしいな」

「あ、ありが…とう…」

「…そして、もし彼に婚約を破棄されてしまったらこの言葉を思い出してほしい」

「…!?」

「私という存在がいることを」


ダメだよ…

悪いとこは、似たらダメ


「蛇みたい」

「…そうかな」

「うん。よく似てる」


なんか外、寒いな…


「…風が冷たいね」

「中入ろっか」

「…うん」

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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年2月28日 19時

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