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764話 ページ14




「っ、はぁ…はあっ…!」

「待てやおらっ!!」

「ひっ…!?」


演技とかじゃなくて、掴まれた瞬間本当に怖くて心から叫び声が出てきた

私がやりやすいようにしてくれたのかな…


「はっ…はぁ…」

「初めてにしては上出来じゃないですか」

「は、ははははい…」

「…んん?」


私が腰を抜かしたことに気づいたのか、その人は優しく笑いながら手を貸してくれた


「あはは!本当に怖かったんですね」

「ご、ごめんなさい…圧倒されちゃいました」

「いやいや、演技としては満点をあげたいぐらいです」


こんなに優しい笑顔なのに…

はぁ、本当に申し訳ない

何故か終わった後もその人が怖いと感じて仕方なかった

うん、失礼にも程があるよね


「Aちゃん…」

「…?は、はい!」


ひ、氷鷹さんがぷるぷる震えてる!?

私何か癪に障ることしたっけ?

ど、どうしよう…!


「え、ええと…ごめっ…!」

「凄いじゃない!迫真の演技だったわよ!あはは!あいつ顔怖いもんね!」

「あ、あはは…」

「Aちゃん自身の演技もいつか見たいけど、相手があいつなら今回は諦めようかな〜♪」


うっ、本当に何でだろうね

ただ笑ってるだけなのに、あの人なんか怖い雰囲気があるっていうか…


「…あの人、そんなに怖い?」

「な、何でだろう…さすがプロだね。今でもぞわぞわしてるもん」

「…そう」


んん?

なんか、乱凪砂さん浮かない顔してる

…いや顔は全然変わってないんだけど

雰囲気?がそうだと思う


「どうしたの?」

「…ううん」

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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年2月28日 19時

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