667話 ページ17
✩
「こんな真夏日に締め切った倉庫にいたぁ?」
「あはは…」
「もう!アタシたちがどれだけ心配したと思ってるの!」
「す、すみません…」
特に身体に何の異常もなかったらしく、熱中症と判断された
あの人達を見たせいか、さっきのことを誰かに話す気にはなれなかった
「今日はちょっと、具合が悪いので先に帰ります…」
「気をつけて帰るのよォ。アタシの日傘使う?」
「持ってるので大丈夫ですよ…♪」
私が家に帰ろうとした時だった
「俺も付いてく」
「…え?」
「…」
りっちゃんはそれ以上、何も言ってくれなかった
私とも目を合わせてくれない
さっきまで焦っていたのに、今では今朝と同じで冷たい雰囲気に戻っていた
「ただ休みたいだけなんじゃないかって思いますが…AさんをしっかりEscortしてくださいね」
「分かってる。それじゃあね」
そう言うと、私とりっちゃんは部屋から出た
おんぶしてくれる様子もなさそう
本当にただの付き添いって感じなのかな
にしてもずっと無言だ…
「…あ、あの。見つけてくれてありが…」
「泣きながら走ってる奴らを見た」
「…!」
「不思議に思って、そいつらの来た方向に行ってみたらAがいた」
「そ、そうなんだ…」
「あいつらを庇って、自分だけ我慢すればいいやって思ってんの?」
りっちゃんは冷たい目で、蔑むみたいに私を見下ろしていた
そ、そこまで怒ること…?
「俺は命令したはずだよね」
「…あ」
『家族を、ファンを…自分自身を。これから一生、なにがあっても絶対に悲しませないで。傷つけないで』
そうだった
私、命令を破っちゃった…
「俺の大好きな自己否定感の強いAは、俺がもう消したはずなんだけど」
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みん(プロフ) - 初 。さん» コメントありがとうございます!!もうそんなに読んだんですか!?なんとお礼を言えばいいのか…!共感してもらえるような作品を作ることを一番心掛けてるので、そこに着目してくれてとっても嬉しいです!!まだまだ続きますので、長編ですが何卒よろしくお願いします! (2022年4月21日 23時) (レス) id: 2f5f5d572a (このIDを非表示/違反報告)
初 。(プロフ) - 初コメ失礼します…!!昨日この作品をお見掛けして1からやっとここまで読めました!!もうほんとに面白くて夢主ちゃんが可愛くて…。作中に共感出来る部分も多々あり…。68まで必ず読ませて貰いますので!素敵な作品を有難う御座います! (2022年4月20日 14時) (レス) id: 8fa79c3961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年2月19日 4時