459話 ページ9
✩
「…」
うっ、声を出すのが怖い…
これは生放送なんだから、震えないように、いつも通りを装って喋らなきゃ
「あ、あの〜…ちょっと恥ずかしいけど、大事なお話がありましてね」
《珍しい…》
《なーにー?》
「…私ヨウさん、実はアイドルなんです!はい!」
い、言っちゃった…!
怖くてりっちゃんの顔も見られないけど、私は一人で実況を撮るみたいに騒ぎ散らかした
みんな驚いてる
《ほんとに!?》
「嘘じゃなくて本当です!まぁそう言ってもアイドル始めたのつい最近なんだけど」
《ヨウちゃんがアイドル!?》
《えええぇ!?》
「はぁ…"A"緊張しすぎ」
さっきまでベッドの上でじっと見守っていたりっちゃんは、私を膝に乗せた
そしてぎゅっとしてくれた
《A?》
「あれ?りっちゃん今なんて…」
「だから、Aでしょ。柊AだからA。俺はいつもそう呼んでる〜♪」
わ、私の本名が…
固まってると、りっちゃんは淡々と話を続けた
私の代わりに喋ってくれてるの?
「〇月×日に__モールで昼からライブするんだけど、それに来てほしいんだってさ」
「…ちょっと!り、りっちゃんそれ私が…!」
「Aがゆっくりだから待ちきれなかった…♪」
「ちょっとぐらい待ってよ!」
コメント欄には、《絶対行く》と多くの人が言ってくれていた
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月31日 6時