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50話 ページ50




「あれ?いとでんわは?」

「ごめんね、わすれてきちゃった!」

「…そうなんだ。Aでもわすれること、あるんだね」


「えへへ!」

「A、それほめられてないと思う!」


りっちゃんがあんまりにもにこにこ笑顔で言ってくるものだから、つられて私も笑ってしまった

それにしても、今日は何しよう?


「カードゲームはやったし…あ!」

「「…?」」

「A、どうしたの?」

「みて!ほら、あたり!」


りっちゃんママから頂いたアイスを食べてると、見えてきた棒に「当たり」と書かれていた

因みに、このアイスはとっても柔らかくて一人で堪能できるやつ

知覚過敏だから歯はしみるけど、そこは我慢する


「わぁほんとだ!すご〜い!」

「わたし、アイスをくれたりっちゃんママにあげたい!」

「いや…ゴミわたされてもこまるだろ」


「あっ!れいちゃ…」

「おにいちゃん!」

「はやっ」


ランドセル姿のれいちゃんがドア付近にいた

そっか、れいちゃんの部屋向こうだからここを通る必要があるんだ

…って!


「ごみじゃないもん!お金といっしょだもん!」

「そうだけど…ラッキーだと思って自分で食べたらどうだ?」

「う〜ん…でもわたし、ラッキーなことは自分よりだれかにあげたいな…」


「Aらしいな!」

「えへへ!」


結局りっちゃんママに自分で食べてちょうだいって言われて、嬉しいような渋々というような…

なんとも言えない微妙な気持ちになったよね

もちろん嬉しいけど!

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作者名:赤月 音 | 作成日時:2020年3月15日 0時

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