嘘はついてません ページ7
｢A！おはよ〜！｣
｢うん。おはよ｣
昨日の夜はすごく楽しかった
お願いしたら、また後ろに乗せてくれるかな…♪
｢今日はご機嫌だな〜｣
｢…分かる？｣
｢ちょっとずつだけどAの考えてること、分かるようになってきたからかな♪｣
｢…｣
｢そこで引くなよ！俺が変態みたいだろ！｣
｢ぷっ…ごめん♪｣
…あ、やばい
後ろから殺気を感じる
このままじゃ後ろの人に殺られる
｢本当に機嫌いいな。そんなに楽しいことでもあったのか？｣
｢ま、まぁ…私が楽しいって思うだけなんだけど｣
｢へぇ〜。Aが楽しいって思いそうなものって言ったら、読書とか音楽っぽいかも｣
｢そう、かも…｣
本は読む…よ。教科書とか
音楽も聞く…ロックとか
うん。読書も音楽も好きだよ。嘘はついてない
｢あんた酒臭いんだけど｣
｢…え？｣
この人前置きもなく唐突に声をかけてきたね
お酒は飲んでないけど…
受動喫煙ならぬ受動飲酒でもしてたのかな
ていうか、この人なんでそんなことまで分かったの！？本当に油断ならない！
｢優等生とか真面目って言われてるけど、あんたって意外と悪い子なんだね〜♪｣
｢…多分、久しぶりに会ったお父さんがお酒飲んでたから。それで匂いが移ったのかも｣
｢は？｣
う、嘘じゃないよ…？
だって昨日、家に帰ったらお父さんが明日缶を捨てる日だ〜とか言って、お酒の缶を玄関に置いてて…
その袋を朝、私はまたいだ記憶があるから
｢うわ、あんたって平気で嘘つくんだ…｣
｢本当に嘘ついてない｣
｢そうだぞ凛月。人聞きの悪いこと言うなよ。Aが困ってるだろ〜？｣
｢ま〜くん、こいつはマジでやばい…ね、コーギー？｣
…犬？
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2020年1月27日 17時
