モテる子は大変 ページ10
一人、心当たりがある
お嬢様に恋をした男
勉強会の間は、自分ですらその相手のことで頭がいっぱいだった
｢(いや…でも…確証はないが、有り得る話だよな…)｣
これはもう妄想の領域だが
もしかすると、相手はあの子なんじゃ…
｢モヤモヤしてどうにかなりそうだよ…教えてよ〜Aちゃん｣
｢え〜やだよ〜？向こう恥ずかしいでしょ？｣
｢そんなに身近な存在なのかい？余計気になるじゃないか｣
｢私別にアイドル科とも言ってないよ〜？｣
そ、そうだ…確かにそうだ
いやでも、俺の予想ではあの子なんだがなぁ…
高校生の恋事情にここまでワクワクしてしまうものなのか
｢(いやでも、一度だけ…確かに違和感を感じたんだ…)｣
｢ねぇねぇ、皆…｣
｢ちょっとー！？英智くん！？広めないでよ！｣
その後、事情を知ったクラスも勉強を完全放棄して天祥院くんの話に聞き入っていた
｢なに！？この学校にAに恋をしてる男の子が！？｣
｢いっぱいいるでしょ。顔と愛想は良いんだから｣
｢そうだけど…せなっちが自信満々に言うと、別の意味に聞こえるっていうか…｣
｢なに？まさか俺だと思ってんの？｣
人狼でもしてるのか、この子達？
お嬢様に告白はしてたけどな、瀬名くん
｢ええっと〜…こ、ここまでおっきくなると思わなかった…｣
｢まぁそうだろうねぇ｣
｢…見てた？｣
｢うん｣
｢泉くん何でも見てる〜〜！！忘れてよ！｣
昨日の告白、瀬名くんも知っていたのか
そりゃモテるだろうな
見た目なら完全にそこらのアイドルより飛び抜けて可愛いし
｢こいつ昨日も校舎裏で音楽科だっけ？フルート持った奴に…｣
｢しー！！しー！振られた後に追い討ちかけるとか最低！｣
｢言わないだけで予想はしてたけど…モテる子は大変だね〜♪｣
｢別にそういうんじゃ…！｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
