自分なりに頑張って ページ49
｢わあああぁ〜〜ん！！零くんの制服…目に入れたい…！｣
｢狂ってて怖い…！？｣
｢Aはあれが通常運転だぞ〜つむぎちん…｣
お嬢様は学校を出るんじゃなくて、あいつに会いたかったのか
しかし、物凄く匂いを嗅いでるな…
｢すうぅ〜〜〜…はあぁ〜…あああぁ〜、零くんのいい匂い…♪｣
｢ねぇ｣
｢ぐえっ！？｣
｢写真撮ろって。くまくんも言ってたよ｣
｢はっ…！忘れてた…！｣
何だかんだ言って、お嬢様は人気者だからな
色んな人と写真を撮っては、その度に憎らしげにあいつは遠くから見ていた
絵面が不審者だぞ
｢A先輩！よく噛まずに最後まで言えたね〜！偉い！｣
｢先輩だからね明星くん！？｣
｢ううぅ…ぐずっ、ひっく…！Aしぇんぱあい…！！｣
｢あはは！も〜あんずちゃん、そんな…んふっ、泣かなくても♪｣
｢人の涙を笑うな｣
いや、ESで会えるからな…
確かに同じ学校にいられないのは、かなり精神的に不安だろうな
｢ごめんなさい…さっきも言ったけど、無理せずに…自分なりに頑張ってね。いつ投げ出しても私がそばについてるよ〜♪｣
｢うううぅ〜…！ぐすっ…はいっ！頑張ります！！｣
｢うん！それで、いつか私に楽させて〜♪｣
｢あんず…ぐすん、こんな先輩しかいなくて大変だったね…｣
実際、いじめられる可能性は高いだろうな
そういう意味では、三年生だったお嬢様は運が良い
学校に｢いた｣のと｢いる｣のでは、全く別物だからな
｢それじゃ！みんなばいば〜い！｣
｢ほんと、最後まで賑やかな人だったなぁ…｣
｢一年生にも聞かせたかったね〜あれ！｣
お嬢様は、プロデュース科の記念すべき一人目としてステージの上で話していた
それは嘘と呼ぶにはあまりにも情熱的で、本心と呼ぶにはあまりにも美しすぎていて…
｢A先輩って感じのスピーチだったね！｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
