魔法の言葉 ページ48
｢はぁ、やっと終わっ…♪｣
｢A！！僕と写真を撮ってくれたまえ！いや！撮ってくれるね！？｣
｢う、うん！撮る！撮ります！｣
｢こいつがいると本当に感傷的になれないんだけど…｣
胸元の花が妙にチカチカして、本当に終わってしまったんだとようやく実感した
…いや、なんで俺が卒業したみたいに言ってるんだ？
｢っ…A！｣
｢ん〜？なぁに、千秋くん？｣
｢俺を、覚えてるか？｣
…ん？
｢へ？うん…守沢千秋くん｣
｢フルネームで言えたんだ…｣
｢どうしたのもりっち？流石にAちゃんが鳥頭だからって、そんなすぐに忘れないと思うよ〜？｣
｢かおくん、守るようでズケズケ言うようになったよねぇ｣
｢いや、そうじゃなくてだな…すまん。口が滑った｣
お嬢様は、会ったことがあったのか？
このクラスに入る前から、知っていたような口ぶりだった
｢…サインくださいっ！｣
｢えっ！やだ！字きたないもん！｣
｢ちょっと。本当にどうしたの？守沢、あんたまさか頭でも打った訳？｣
｢あはは…卒業式だから許してくれ｣
｢もうそこまでいくと魔法の言葉なんだけどぉ？｣
彼の不思議な言動に周りが困惑してると、はっとしたようにお嬢様は突然笑いかけた
｢最高にヒーローだったよ！千秋くんかっこよかった！！｣
｢なんで急にお世辞…？｣
｢お世辞じゃないからね！？本心だよ！｣
｢…！！ほ、本当か！？俺はヒーローだったか！？｣
｢うん！私の知る限り千秋くんが一番ヒーロー愛強かったね…♪｣
何故かその返答で彼は満足だったらしい
周りは置いてけぼりだが、まぁ…卒業式だから良いのか？
｢それじゃ、もう授業ないし…じゃあね〜♪｣
｢写真撮らないの！？｣
｢え、朝撮らなかったっけ…？｣
｢かおくん。どう？こいつが一番薄情だと思わない？｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
