卒業式当日で初めまして ページ47
お嬢様は返礼祭も楽しまれて
残すはもう卒業式だけになった
｢…はあぁ。寂しい｣
｢え？珍しいね。Aちゃんなら卒業式も涙一つ流さないと思ってたけど…ん？｣
｢違うよかおくん。こいつ、朔間の制服姿のこと言ってるから｣
｢いつものAだな…♪｣
流石に、卒業式当日はそわそわしているな
｢おいレイ！！さっさと告れよ！じゃないとおれとAがこの先関わるきっかけなくなるじゃん！！｣
｢初対面で呼び捨て…！？｣
｢この人数の少なさで卒業式当日で初めましてする人初めて見たよ！？｣
｢そういや…王さま、とAって会ったことなかったんだ｣
｢わ、我輩帰って良いかのう…？朝はちょいと…｣
あの小柄な男の子、急にお嬢様の目の前まで走ってきたぞ
なんだあの騒がしい子
｢おまえがAか！おれは月永レオ！噂だけは一年の頃からずっと聞いてたぞ！おまえ最高に頭おかしくて大好きだ！｣
｢え〜嬉しい！私も頭おかしそうな人好き〜！｣
｢月永レオくんだから。普通そんな秒で名前忘れる？｣
｢えっと〜…レオ、くん？｣
あの子の乱入で、最後の朝の時間はいつも通りうるさくて先生に怒られていた
｢ねぇねぇ泉くん…！｣
｢んん？｣
｢楽しかった〜？｣
｢それなりにね。…あぁ、いや、待って｣
咳払いをすると、珍しく瀬名くんが素直に笑った
卒業式…凄いな
｢ん〜？｣
｢Aのおかげで、毎日楽しかったよ。ありがとう♪｣
｢えへへ！よかった！ど〜いたしまして…♪｣
｢うる…｣
｢なんで天祥院が泣きそうになってんの。ていうか盗み聞きしないでくれる？｣
そんな近かったら聞こえてもおかしくないと思うが…
｢私も、びっくりするぐらい楽しかった…！もう私のやりたいこと全部叶えちゃったな〜♪｣
｢なぁに、死ぬ気？｣
｢まさか！言ったでしょ、やりたい事ないなら作れば良いし…♪｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
