最後の高校生の冬休み ページ5
｢もりっち重いでしょ、筋肉多いもんね〜♪｣
｢ありがとう〜…助かったよ〜｣
二人がかりで肩を貸してもらって、あのまま寝れるとか凄いなあの子…
｢…あんまり言えなかったけど、責任感じなくて良いからね｣
｢うえっ！？か、顔に出てた…？｣
｢Aちゃんは顔に出さない時は本当に出さないから、心で見るようにしてるよ。今みたいに、本気で隠そうとしてる時はね♪｣
｢…あはは。すごいなぁ〜♪｣
凄いな…
流石お嬢様の友人といったとこか
｢瀬名くんはあぁ言ってるけど、あれも全部本心って訳じゃないだろうし。それに…｣
｢…｣
｢こうやって、最後の高校生の冬休みにさ…こんな予想外な思い出が作れて、みんな内心喜んでると思うんだ♪｣
｢あはは…薫くんは優しいな〜♪｣
｢本当だよ〜。みんな恥ずかしくて言えないだけ｣
また少し、分かった気がする
あの時お嬢様が怒った理由が
｢Aちゃんは毎日、色んな人を巻き込んでくれたから。それが鬱陶しいって感じる人もいるかもしれない｣
｢うん…｣
｢だけど、少なくともクラスにはいないから。本当は男だけの秘密だったんだけど…これ見てよ♪｣
なんだ？いま一瞬、連絡用のアプリが光ったが…
｢え…！？｣
｢これで分かった？｣
｢…うんっ♪｣
｢そういう事だから、隠れアイドルのAちゃんとこんな遅くまでいられる俺たちはむしろ幸せ者なんだよね〜♪｣
隠れアイドル…？
一体何の話…
｢っ…！？｣
｢おっと！流石海外のマフィアは鍛え上げられてるなあ〜♪｣
｢…(あぁ、こいつか)｣
お嬢様を監視している時も時々目が合っていた奴か
｢面白そうなことをしているなあ。俺も混ぜてくれないかあ♪｣
｢(面倒な奴に絡まれたな…)｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
