電話を切ってしまった ページ32
随分と嘘つきな方だ
優しい嘘は許されるかどうか、そういう議論をされていたりするが…
これは複雑だな
｢あ〜…もしもし〜？えっと〜…｣
｢(相手は誰だ…？)｣
｢あはは…だから、私はそんな偉い人じゃないんで｣
｢…＿＿｣
何か声が聞こえていたが、お嬢様は電話を切ってしまった
誰だったんだ？
｢ん〜…困るなぁ。私のせいで、散り散りになってた人たちが集まろうとしてる｣
｢良いのかい？｣
｢うん！それより、振り分けてみたんだけどどうかな？｣
｢…へぇ。ふふっ、僕の私欲まで取り組んでくれたんだね｣
｢英智くん好きでしょ〜？この子たち｣
Trickstarに流星隊…随分と暑苦しいな
これをすべてお嬢様が一人で振り分けたのか…
Knightsは…ふむ
｢それじゃあ、春からは全体を取り締まるプロデューサーの長としてよろしく頼むよ。期待しているよ、Aちゃん…♪｣
｢いやいや、そこはあんずちゃんに期待して〜？｣
｢総合的に見れば期待するのは君のほうじゃないか｣
｢私その頃大学生だからね！？確かに在校生も学校と両立しなきゃだけどさ〜…｣
昨日のお嬢様が言っていた寂しいは、もう二度と会えないことじゃなくて…
高校生というもう二度と着れないブランドに対してだ
｢ふふっ、まさかAちゃんが医療学生とはね…♪｣
｢って言ってもそんなお医者さんとかじゃないよ〜？零くんの為に勉強したいだけだから！｣
｢前からその向上心と行動力には純粋に尊敬してしまうよ｣
この方は正直に言えば、働かなくても生きていけるだろう
さっきの電話もその一人だろうしな
まぁ、それをもちろんお嬢様が望む訳もないが
｢そういえば、さっきの電話は何だったんだい？｣
｢私と一緒に暮らしたいってさ〜。玉の輿狙うつもりなんかないからすぐに切ってやった♪｣
｢本当に勇ましい子だね…｣
｢えっへん！｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
