六話 ページ6
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「げほっ…」
「ちょ、A!話が違うんだけど!?」
「話?私は、手は出さないって契約したはずだけど?」
「はぁ!?」
ぐっ…ま、まずい…
息が…
「ぎゃーぎゃー喚くなら、君だけ地下牢に閉じ込めておくから」
「「…!?」」
「ここと今いる場所、どっちが良いかは自分の頭で考えてね」
モニターに映し出された場所は、地下牢っていうよりゴミ処理場だった
見ただけで生ゴミの匂いがしてきそうだ…
こいつがあまりにも下手に出るから忘れかけてたけど
こいつは、俺たちを誘拐してきたんだ
「私はいつでも、足だけで君の首をへし折れるってことを忘れないでね?」
「っ…げほっ、ごほっ…」
沈黙がしばらく続くと、そいつはいきなり顔を明るくさせた
「…それで!次は料理系男子!う〜ん、次は誰にしよっかな〜♪」
「ねぇ、兄者連れてきてよ」
「え〜、また君の意見聞かなきゃいけないの?でも、別に誰でも良いし…良いよ!」
「軽っ。そんな感じでボクも連れてこられたの…?」
「ううん、君は特別だよ」
特別?
さっきの言葉に引っ掛かりを感じながら、俺は呼吸を整えた
数分経っても喉に突っかかりを覚える
あんな躊躇いもなく、人の首を足で押さえつけるなんて…
「ねぇま〜くん、あの人のパンツ何色だった?」
「冗談でも怒るぞ。俺ついさっき殺されかけたんだからな」
「ぶぅ…だって、こういう話題しかないじゃ〜ん」
そいつはちょっとだけ照れながら、咳を一度してから俺たちに聞いてきた
「え、えっと〜…つまんない?スマホとか欲しい?」
「「…!」」
スマホって言ったら、連絡手段じゃないか!
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2022年7月30日 14時