レポート27・俺の本心 ページ27
凛月side
｢これで良いんですよね｣
｢ばっかじゃないの！｣
｢いだっ…｣
丸めた紙で思いきり頭を叩かれた
Aとは大違い…
｢余計な一言添えたでしょ！あの子、部屋で泣いてたわよ！｣
｢…え｣
｢あんっな悲しそうな顔させて…うちの娘を泣かせるとはどういうこと！？｣
｢なんでそんなこと知って…あいだっ｣
｢黙らっしゃい！！｣
海外に出張…とかAに大嘘ついて
この家族、俺とAをひっつけるのに全力出しすぎでしょ…
俺は優しいから黙ってるけど
｢はぁ…｣
｢ふふっ、こっぴどく叱られてたわね｣
｢なんで？俺ちゃんと旦那さんになってあげる約束したのに…｣
｢からかいすぎなのよ。一緒にいたい気持ちは分かるけどね｣
俺とAが結ばれれば、つまり結婚を約束すれば
Aは実家に帰ってしまう
｢目的は達成したけど、もっと愛を育みなさい。だって｣
｢は〜い…｣
｢良かったじゃないの凛月、まだ家にいてくれるわよ｣
少し、意地悪しすぎたよね
｢ぐすっ…｣
｢…｣
違うんだよ、A
本当は…もっと、この家にいてほしいから…
だから俺は…
｢…っ。A、入るよ｣
でも、だからって泣かせるのは違うよね
俺は涙を零していたAを抱きしめた
｢ごめんね。Aを傷つけた｣
｢え！？ち、ちが…これはその…｣
｢その…俺も、Aのこと好きだから。ちゃんと｣
こんな甘い台詞、俺は恥ずかしくてまたいつもみたいにはぐらかしてしまった
｢まぁ、一人のほうが好きだけど♪｣
｢うっ…い、言われなくても分かってます！｣
｢あはは、記念にお風呂一緒に入る？｣
｢入らないよ！もう、また冗談ばっかり言って…｣
俺の本心を、冗談だと思うAもAだけどなぁ
…まぁいっか
｢(こんなに癒されるのに、Aを実家になんか帰したくないし)｣
ラッキーアイテム
りっちゃん
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2022年3月8日 8時
