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第五話 学校ってめんどくさい ページ6

人間っていうのは実に面倒くさい生き物なんだと、朔夜は改めて認識した。


* * *


リーダーが地面に落ちていた適当な木の葉を拾い上げると、それを右手のひらに乗せた。

なにやらブツブツと口で唱えると、小さな煙が上がり、さっきまで木の葉だったものが三枚の紙に変化する。

「何それ」

「住民票に在学証明書、教科用図書給与証明書」

「……何、それ?」

難しい単語を三つも聞いて、朔夜は目をぱちくりさせた。

「転入するのに必要な書類だ」

「しょるい?」

「朔夜に理解できるわけがない。忘れろ」

リーダーがひんやりと冷めた口ぶりで言うので、朔夜はムッと口をとがらせる。

「忘れない。理解できるに決まってる」

「じゃあ、『馬』に『鹿』って書いて、なんて読むか知ってるか?」

「……。うま、しか? うん、ウマシカって読むんだろ。知ってる」

「やはりバカだなお前は」

なぜバカだと言われなくてはならないのか分からなくて、プンスカ怒っているうちに、役所とやらに着いた。

役所までの道のりは案外短く、そう時間もかからなかったため、朔夜の怒りが静まるほどの余裕なんてものは存在しなかった。

だから、怒っているまま長い手続きが開始してしまい、さらに朔夜の機嫌が悪くなってしまった。

まず最初に、役所で転入手続きをし、住民票を提出した。

住民票の届出をすると「転校通知書」が交付された。

在学証明書、教科用図書給与証明書と一緒に転校通知書を転校する学校へ提出し、これで転校の手続きが終了、したらしい。


リーダーにくっついてウロチョロしていただけの朔夜は、最終的に歩き疲れてヘトヘトになってしまった。

「これで、明日から学校に行けるな」

疲れを知らないらしいリーダーが淡々とそう告げても、朔夜はぐったりして、

「……学校ってめんどくさいんだな」

と呟くくらいしかできなかった。

第六話 早く、会いたいよ!→←第四話 リーダー 


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凍夢(プロフ) - おもしろいです!続きがきになるので続きをお願いします (2018年7月17日 0時) (レス) id: 00e413b96f (このIDを非表示/違反報告)
アナナス - 面白いです、続き待ってます。 (2017年7月4日 16時) (レス) id: c0c87a14c1 (このIDを非表示/違反報告)
闇風ヤク@アニオタ重症(プロフ) - 面白いw更新楽しみにしてる!!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2014年8月10日 14時) (レス) id: a55c4f8740 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - なかなかです。続きが気になります頑張って下さい。 (2014年6月22日 18時) (レス) id: baa4070149 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナレシア(プロフ) - これ面白すぎる(>∀<)こういうの好きなんですよ〜♪続きが楽しみです!! (2014年6月21日 9時) (レス) id: 107d52b62e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aru | 作成日時:2014年5月27日 23時

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