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あの古傷は、絶対に犯人のものだ。
父の首にもそれがあるか、私がこの目で見なければ…！！
その思い一心で、保管庫の取っ手を引く。
すると、驚きの光景に私は絶句した。
「…遺体が……無い……」
中は文字通り、もぬけの殻だった。
全身の力が、萎む風船のように抜けていく。
状況が整理出来ず、その場で立ち尽くしていると、オフィスから皆が私を追いかけて、保管室へと走って来る。
「A、いきなりどうしたの……っ」
息を切らしながら、最初に声を上げたのは三澄先生だった。
三澄先生は、保管庫の取っ手を握ったまま呆然とする私に、ただならぬ危機感を覚えたのか、背後から私を覗き込む。
「A？どうしたの？何が＿＿＿＿あッ！」
覗き込んだ事で、三澄先生もこの状況を把握し
くるりと振り返る。
「ご遺体が、ありません…」三澄先生が追いかけてきた3人に今の現状を告白した。
「えっ！？ちょっとそれどういう事？」
「忽然と姿を消した……？」
東海林さんと久部くんは、口元を押さえながら
目を見開く。
私は踵を素早く返し、中堂先生の方へ歩き出す。
「先生、父の首に横に5センチ程の古傷ってありましたか？」
そう投げかければ、先生は額を押さえしばらく
黙り込んだ後に、ゆっくり口を開く。
「あー…無かったな、傷は何一つ」
傷が無い……？私は顎に手をやり、沈黙した。
誰も状況が飲み込めずに、私達は忽然と消えた父の姿に、動揺するばかりだった。
「えッ！ご遺体が無いってどういう事ですか！」
この事は直ぐに、会議室で所長と毛利さんに報告した。
「私達もよく分かりませんが、誰かが持ち出したとしか…」
管理体制が整っているこのラボから、そんな事が可能なのかは分からないが…
「あの、Aさん何を仰ってるんですか？」
「え？」
私の前に座る毛利さんが、一枚の紙を透明なファイルに入れて、会議室のテーブルの上を滑らせる。
「これ、昨日警視庁に送ったのAさんですよね？」
ファイルに入っていたのは、解剖の鑑定結果と
遺族が火葬許可を出す書類だった。
"解剖結果……溺死
警視庁に対し、遺体の火葬を許可する"
という見覚えの無い文面が連なっていた。
「警察としましては、今日の午後からこちらに遺体を引き取りに伺うはずでした」
「いや、私はこの書類を送っていません」と、見せられたファイルを突き返す。
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青龍 葵(プロフ) - 母親を殺した真犯人は誰なのか…今後の展開、中堂さんと恋人同士になった２人に甘い部分があるのか？とか思いながら更新が待ち遠しいです！ (2018年3月20日 6時) (
レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
Soll(ソル)(プロフ) - 青龍 葵さん» もう最終回ですね〜終わってしまうのが辛い！小説の方もこれから急展開を迎えますので2人の行く末を見守って頂けたらと思います (2018年3月16日 21時) (レス) id: 55764b7fd6 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - いよいよ今日でドラマ最終回！結末がどうなるのか気になりますが小説の最後（完結）も気になります。完結まで、まだまだ先かと思いますが無理のない更新で頑張って下さい！ (2018年3月16日 17時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
Soll(ソル)(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。知識の浅い素人の書く文章ですので、これからもそういった点が出てくると思いますが、少しでも楽しんで頂けるよう努力していきます (2018年3月15日 7時) (レス) id: 55764b7fd6 (このIDを非表示/違反報告)
まる - いつも楽しませて頂いてます！差し出がましいことを申しますが、細菌とウイルスは別物です！気にしないで読むつもりだったのですがどうしても気になってしまいコメントしました (2018年3月15日 2時) (レス) id: 8a313f8dce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Soll(ソル) | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/home
作成日時：2018年2月18日 19時
