刀剣、いざ参る 【刀剣乱舞】【ミュージカル】

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「あ、終わった？」

「終わったよ！…じゃあ交換してお開きにしようか」

紙を取り替えてロビーまで送ってもらう。駅まで送るなんて言われたが酔っている相手にそんな図々しいことはお願いできない。

「お酒、ありがとうね、今度は私が用意しておくよ！もう日付変わっちゃうよ、こんな遅くまでごめんね」

「いやいや、こっちこそ！一緒に舞台頑張ろ！」

拳を作って突き出してきたと思ったら早く、と言われて拳をぶつけるとよし、じゃあ気を付けて帰ってね！と手を降ってくるからバイバイと返して駅の方向に歩き出す。

「ただいま」

「おかえり、遅かったね」

受かってご飯食べてくるとLINEでは伝えたがプチ二次会の事なんか知らないからずっと皆で呑んでたと思ってるのかな？

「三日月時雨、受かったよそれでそのまま前作と今作の俳優さんと顔合わせして台本貰ってきた」

「おめでとう、お父さん喜ぶね」

母親は元アイドル…と言っても所詮昭和アイドル。一発屋と言ったところで1.2曲しかヒットしていない。父親は元俳優の監督だ。子役に引き込んできたのは父親だが、最初のオーディションは父方のおばあちゃんと二人で行ってアウェイな状態で受けたらしい。名字は旧姓だったし贔屓を受けることもなかったみたいで親戚はすごくみんな喜んでいたのは覚えているが…他は覚えてないっていうのが本音だ。

「そうだ、じゃあ学校に申請しないとね！」

「明日書類書いてくるよ、ハンコどこにあったっけ？シャチハタは駄目だよね…あ、あった」

引き出しからハンコを出してダイニングテーブルにおいてシャワーを浴びに行き、軽いストレッチをして寝床につく。次の日、目覚まし時計より1時間早く起きてしまって二度寝を決め込もうとするが眠気もなく、リビングに降りると父親が出勤の準備をしていた。

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