第四十七話 物語 ※真面目な話が急に来ます ページ48
この声…
『今剣さん…』
あぁ、私が知っている今剣とは違う…こんなに殺気があるのは初めてだ。
今剣「こんなまねして。ころしてくださいといってるものです」
やはり今剣は早い。気付けば真後ろから向けられた刃を防ぐ。
これ。訓練どころじゃない…
今剣「なるほど。三日月のいうとおり、やるようですね」
『今剣さん、私は戦いたくないです』
今剣「にんげんはしんじません。かつての主でさえ…！」
小さい容姿からは思えないほどの力。
今剣「そんざいしないぼくなんて！！」
『！』
なるほど…
『義経公のことですか？』
今剣「えぇ、ぼくはそんざいしない！れきしにはない！！それをさんざん、みせつけられて！あざわらって！！」
『……』
…前の主がどんな人かわからないけど本当に酷い人なんだな…きっと、今剣は本当は存在しないと言われ続けてきたのだろう…あぁ、怒りが湧いてきたなあ
今剣「あなたもどうせわらっているのでしょう！」
『笑いません。笑ったりする奴なんて…私が許さない。今剣さん、きっと自分の本当の歴史を見せられたのですね。でも貴方は存在しています』
今剣「ぼくは義経公につかわれていない！そんざいしてない！」
『違います！！今剣さん！！』
今剣「！」
防いでいた太刀に込める力が強くなる。同時に目からは涙がこぼれていた。
『違うのです！確かに義経公は貴方を持ってはいなかった。でも今剣という刀があるのだという人々の思い！語り継がれた物語、その歴史に貴方という。今剣が存在しているのです！！』
今剣「…もの、がたり？」
『えぇ。そこで確かに今剣は存在しています。だから自分を否定することを言わないでください！そんな悲しいこと言わないでください…！それにその言葉は義経公を否定することになる…義経公がいたから。義経公の本当の歴史があるから今剣、貴方という存在があるのです…！』
今剣「義経公……」
今剣は刀を下ろし俯いた。
今剣「義経公…！ぼくは…っ。義経公を…まもりたかったっ…」
『守れますよ。貴方がこうしてここにあることで守れます。…辛かったでしょう。でももう貴方を笑う者はいません。だから安心してください』
今剣は泣いた。私が抱きしめた腕の中で。その時の今剣は本当に小さな子供のようで。
泣きながらも今剣は前の主が今剣に何をしたのか教えてくれた。厚樫山に何度も出陣させて存在しないとあざ笑っていたそうだ。悪趣味にも程がある。
でも今剣は笑った。それに殺気はない。
第四十八話 かくれんぼすると見つけてもらえないまま忘れ去られることあるよね？→←第四十六話 どうしてこうなった
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稲森(プロフ) - 時雨さん» 初めまして！コメント、誤字の報告ありがとうございます！ご親切に押してくださって嬉しいです。こんな感じで誤字も多いかと思いますがこれからもよろしくお願いします！ (2020年6月4日 14時) (
レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 夢主の性格が好きです（≧∇≦） (2020年6月4日 0時) (レス) id: a4f27d0bac (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 誤字らしきものを見つけましたのでお知らせしておきますね(*^^*)第１３話の最後の行で、「短期は損気」と書かれておりますが「短気」の間違いだと思います(*^_^*) (2020年6月4日 0時) (レス) id: a4f27d0bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稲森 | 作成日時：2020年5月28日 11時
