第四話 手入れ ページ5
『あの、余計なお世話だと思いますが。貴方も手入れをしたほうがいいです。あばら骨が折れてます。一体どれくらいの期間そのままなのかわかりませんが、折れた骨で圧迫されて呼吸が苦しいはずです。そのまま更に放置をすれば肺に骨が刺さる場合もあります』
薬研「！」
山姥切「！」
やけに険しい顔をしていたのは私やこんのすけに対するものだと思っていたけど、うん。山姥切が話始めた時点で確信した。呼吸に乱れが出ているのを。
薬研「旦那。どうして早くそれを言わないんだ！」
山姥切「俺より大怪我をしているものがいる」
あー、これはブラック本丸ではよくある系統だね。資材を無駄にしないように大怪我でも言わずに出陣し続けたり放置していたり。最終的には自分で自分を折るという。
薬研「山姥切の旦那も手入れする」
山姥切「俺は――」
薬研「黙って見過ごすわけがない」
薬研藤四郎の圧力に勝てなかった山姥切と共に手入れ部屋へ移動した。
そこには多くの刀剣男士たちが寝ていた。主に短刀、脇差が多い。これもよくある。
『まずは…』
？「おいなんでここに」
と声を上げてくる刀剣男士。あぁ、この子は確か同田貫正国。
山姥切「手入れをするとにしたんだ」
『よろしくお願いします』
山姥切「妙な真似をしたら斬り捨てるだけだ」
ひぇ。やっぱ物騒だ。
同田貫「俺も見張ってるからな」
『は、はい。じゃ、始めます』
布団で寝ているものから壁に寄りかかっているもの。だがまず。
『この子が一番重症だね』
粟田口の短刀。五虎退。いや、このまま一人で続けるより
『…薬研さん。まずあなたを手入れします』
薬研「わかった」
えっと。確か、こうやって霊力を刀に込めて…。
するとたちまちに直っていく。
薬研「おぉ…」
『直ってすぐで悪いけど手伝っていただきたい。まず、この札を怪我がひどい箇所に張り付けてほしいんです。札が足りなくなったら言ってください』
頷いてテキパキと薬研藤四郎は初めて行く。やはりこういうのは薬研が得意だ。
『…よし』
五虎退の手入れが終わるとゆっくりと目を開ける。
五虎退「…こ、ここは……僕は」
前田「五虎退…良かっ、た…」
すぐ隣で壁に寄りかかって座っていた同じ粟田口の前田藤四郎が泣きながら五虎退に駆け寄った。また粟田口の兄弟たちも五虎退を囲んで嬉しそうに微笑んだ。
五虎退「あ、の…あり、がとうございます」
怯えた顔。一体、審神者にどんな恐怖を植え付けられたのだろうか。
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稲森(プロフ) - 時雨さん» 初めまして！コメント、誤字の報告ありがとうございます！ご親切に押してくださって嬉しいです。こんな感じで誤字も多いかと思いますがこれからもよろしくお願いします！ (2020年6月4日 14時) (
レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 夢主の性格が好きです（≧∇≦） (2020年6月4日 0時) (レス) id: a4f27d0bac (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 誤字らしきものを見つけましたのでお知らせしておきますね(*^^*)第１３話の最後の行で、「短期は損気」と書かれておりますが「短気」の間違いだと思います(*^_^*) (2020年6月4日 0時) (レス) id: a4f27d0bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稲森 | 作成日時：2020年5月28日 11時
