I want to live quietly (ページ39)

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調べ物(露伴先生side) ページ39

仕事部屋に来た露伴は漫画を描くわけでもなく、ストーリーを練るでもなく、ノートパソコンを開いた。

｢悪い夢だって？悪夢見てる最中に｢お母さん｣なんて言うのかフツー…｣

まずは、最近あった10代の子供の失踪事件について調べる。そこにAの名前が無いかざっと確認する。

｢ない、か…｣

それからAの名前で検索したり、出身地である関東地方の学校を調べる(Aの書類作りをする時に知った)が、情報はゼロであった。

(ま、ホームぺージに生徒の情報載せたりしないよなァ、さすがに。)

1つ溜息をつき、露伴はパソコンを閉じた。
時刻はまだ10時前。ここM県からK県まで少し遠いが、

｢日帰りできない距離じゃあない。｣

(テキトーに置き手紙でも用意していれば平気だろう…)

そう考えた露伴はコピー用紙を取りだしペン立てにさしてあったGペンでさらさらと文章を書き始めた。

『今日は取材旅行で帰りが少し遅くなる。』

顎に手を当てその文章を眺めた露伴はもうひと文書き加えた。

『10時には帰るから、家にあるもので適当に飯作って食べて寝ててくれ。』

最後に｢露伴｣と書いて居間のテーブルの上に置いた。

｢さて、行くか…｣

ヘルメットをかぶりバイクにまたがる。
エンジンをふかし路上に出ると、露伴は高速へと向かった。

.☆.｡.:.+*:ﾟ+｡ .ﾟ･*..☆.｡.:*

5時間弱かけてはるばるやってきたはいいが、どこに行こうか…

露伴は今デパートのフードコートでひとり昼食を食べていた。ラーメンをすすりながらスマホでマップを開く。

(…？)

騒がしい声がしてふと奥の席の方を見ると、Aと同い年くらいの高校生達がげらげらと笑いながら談笑している。

(今日は学校が休みなのか…？まだ1時だぞ…)

｢それにしても、ラッキーだよなァ！水咲のおかげで学校休みになったんだぜ？｣
｢おいおい、そんな言い方あいつに失礼だろ｣
｢別にいーだろー、今更怒るやつもいねーだろーし…・・(あれ)の前も入院してたんだろ？｣

｢…ヘブンズ・ドアー。｣

露伴の背後に帽子をかぶった少年が現れ絵を書く。それを高校生達が見た瞬間、彼らは急に眠りにつくように目を閉じた。

｢…今こいつらは、あの子の苗字を、言ったよな…？確か…｣

露伴がページを開こうとした瞬間。
帽子を被った方の少年が、目を開けた。
身構えた露伴の前に、ロボットのように金属質なスタンドが現れる。
そしてそいつが露伴を指さし、言った。

｢オボエタゾ｣

と。