生きるって（潤） ページ4
藍沢side
しばらくしたら救出できると連絡が入った。
救出と同時に起きる事を予測しながら準備を進めていた。
ギューン...
座席が切り離されて男性の体制が仰向けになる。
すぐに挿管をし、全身の確認。
一番酷い出血は腰のみだか、肺の中やお腹は血の海かもしれない。
挿管後の呼吸の悪化。
「...気胸か」
左肺の音がまったく聞こえない。
消毒薬をもらい掛けドレーンを挿入した。
救出されてから鳴り響くモニター音。
ショック状態になっている。
冴島「すぐ搬送出来るそうです」
どうやらヘリも準備が整ったらしい。
『1.2.3！』
頭部を固定し、腰もこれ以上悪化しないように強く固定し搬送することに。
.
ショック状態から逸脱するために大量の輸液や輸血をしているが回復が思わしくない。
とりあえずはショック状態から脱出出来たがまた起きる可能性もゼロでは無い。
冴島「っ...」
「くそっ...」
ヘリに乗り込みすぐ、挿管チューブから血液の逆流。
冴島にお願いし、吸引して換気をするが再び逆流。
「肺挫傷か...？」
強い衝撃で気胸だけでもなくて、中から出血しているのかもしれない。
状態が悪すぎる。
追い討ちをするように心拍数も減少していく。
ピンポン...ピンポン...
心停止。
ベルトを外し胸部に手を当てて心臓マッサージをする。
心マをする度に変形する胸部。
肋骨も骨折しているのかもしれない。
時間が経過していく度に出てくる症状に焦りも。
戻れ、戻れ
せめて逝くなら家族に顔見せてから逝け...
そんな事を念じていたと同時に心拍が再生する音。
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作者名：Lima
| 作成日時：2020年1月1日 1時
