和の心膜炎 リク ページ12
翔side
呼吸する度に白く曇る酸素マスク。
それと同時に苦しそうに上下する胸の動き。
また、モニターにも繋がれ音がやけに病室に響く。
智「まさか入院なんて...ね」
「そうだね...」
1週間前くらいから風邪を引いていて寝込んでいた和。
昨夜になって胸痛がするって言い出してすぐに救急車で病院へ。
診断の結果は心膜炎。
最初は心臓発作とか突発性のものかと思ったけど心臓の話には変わりない。
風邪のウイルスが疾患を引き起こしたみたい。
熱も高い。
点滴が何種類も繋がっていて和が動く度にそれらも揺れる。
智「本当に大丈夫？別に明日の便で行くよ」
「いや、いいよ。夜の便で...」
前から決まっていた学会。
智兄と先輩は海外へ。
潤と雅紀はそれぞれ北と南の地域に。
前から決まっていたと言ってもまさかこうなるなんて誰も予測出来るはずがない。
智兄と先輩が帰国するのは1週間弱。
場合によっては2週間かもと。
潤と雅紀も1週間。
「はぁ...」
必然的に俺が主治医にはなったが頼れる兄もいなければ先輩もいない。
いくら、電話やLINEが出来ると言っても実際にいるといないは全然違う。
智「あっ...いいよ、やるよ」
深いため息が出てしまい頭を抱えていると和が苦しそうな声を出した。
前にも心膜炎になった影響で心臓に大きなダメージがある。
ドキドキとしたり、動きが制限されているから血液が減って意識障害が出ることも。
今もそれを伝えようとしたらしく表情を歪めている。
和「っ...んっ...ぁ...」
智兄がナースコールで薬をお願いしルートに追加する。
色々症状が襲ってきていてピリピリとする病室。
それを破るように病室の扉が開いた。
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作者名：Lima
| 作成日時：2020年1月1日 1時
