生きるって（潤） ページ11
潤side
「っ..ふっ...んっ...」
智兄に叱られ無理しない範囲という。
車椅子からうまく降りて歩行器に手をつけ足を床に。
背中を支えてはくれているけどグラグラとする身体。
歩くのってこんなに大変だったっけ。
歩く度にガラガラのキャスターの振動。
無理していたせいなのか呼吸苦も落ち着いてきている。
たまに苦しくなって倒れそうになることもあるけどね。
一進一退だからさ。
足の動きずらさはまだある。
でも、最初に比べたら随分動くようになった。
歩行器を使い始めたからかな...
リハビリ以外の移動手段は車椅子。
みんながお金出し合って買ってくれた。
自分の骨格とかに合わせたもの。
だから座っている時に痛くもないし違和感もなし。
自分で動かすタイプだから車輪を上手く使って動かしている。
「さと...にぃ？」
智「ん？どした」
ちょうど智兄がリハビリ室に来てくれて病室に帰る途中。
「...いつ、退院できるかな」
智「先生も言っていたでしょ？もうすぐって。
会ったらまた聞いてみようか」
「ん...」
ちょっと家が恋しくなってきている。
みんなでワイワイしたり。
こんな身体になってからはそういう事してないから。
ダメだなぁ、色々。
結局焦るから悪循環。
「...」
ポンポンと頭を触る智兄。
気持ちを汲み取られているのかもしれない。
＊
翔side
月日は経過し退院した潤。
智兄が帰りたそうって藍沢先生に話したら即決定した(笑)
リハビリはこっちの病院に引き渡して、月イチはあっちの病院行ってリハビリと診察するって事になった。
家に帰ってきてからは表情がすごく良い。
やっぱ、慣れた環境って良いのかもしれない。
まだ仕事は休職状態だけど時期にって。
家でも転倒しないように歩いているから車椅子から卒業も早いのかも。
「おっ、作ってるじゃん！」
潤「まぁ、リハビリがてらね(笑)」
リハビリに漂う美味しそうな香り。
久しぶりに料理を作っていた。
その様子を見ると事故にあった時の様子が想い浮かぶ。
生きていて良かった本当に。
生きているって...
支えあいなのかもしれない。
生きるって(潤)リク end
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作者名：Lima
| 作成日時：2020年1月1日 1時
