発作の脅威（翔）13 ページ9
先輩side
油断した。
発作が起きてしまった翔くんの胸を擦る。
モニターの数値もだんだんと下がっていき警告音が響く。
救急カートを持ってきてもらい、申し訳ないけどスタッフには１回帰ってもらった。
「苦しいのなくなる薬入れるね。」
苦しい息遣いをしている姿を見ると心配になる。
心筋梗塞が起きたから、もう暫く不整脈といった発作は無いと思っていたが...
翔くんには苦しい思いをさせてしまった。
カニューレから酸素マスクに変更して胸を擦る。
翔「はぁ...はぁ...」
まだ少し苦しいそうだけどモニターを見る限り悪化はしていない。
「大丈夫だからね、寝ても大丈夫だから。」
口には出せないけど正直焦った。
これ以上悪化したらまたさ...
挿管とかICUとかになったから。
あまり無理はさせたくない正直。
きっと退院して、仕事を始めても発作の怖さと戦いながらになると思うし。
眠った翔くんの頬を撫でる。
なんで翔くんなんだ...
って考えてしまうこともしばしば。
だからといって他の人じゃなくて。
こんなに頑張っているのにまだ翔くんの事を苦しませるのかって。
翔くんには生きて欲しい。
現場に復帰するなんて何ヶ月、何年でも待つよ...
救急ではたらいている翔くんはカッコイイから。
「先生次第だけど、多分またかな...」
リハビリ中に発作が起きたから色々話す。
せっかくリハビリが始まったばかりだけどまた振り出しに戻る。
一進一退。
松岡「...だよな。」
はぁとため息をつく彼。
「どした、珍しいなため息なんて。」
松岡「いや、なんかな...いつもの翔と違う精神状態と身体状態でさ。ついていけないっていうか。」
ショックだよなって。
「そうだな...」
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年8月24日 23時
