冷たい心情（翔） ページ40
先輩side
「何が起きた...？」
出張から帰宅したら医局にスタッフが走ってきた。
『翔先生がちょっと、先生来てください！』って。
スタッフと走って救急へ。
到着すると処置台に翔くん。
酸素濃度が下がっている事を示す警告音が響く。
バッグバルブマスクが当てられる翔くん。
起きている現象に理解が出来ない。
△「冷凍室に倒れていた、それもかなりの時間...」
「かなりって...」
俺の大先輩の先生が教えてくれた。
△「たまたま冷凍室に来た看護師からスタッフコールが要請されたんだ...普段なら15分以上経過したらアラーム鳴るだろ？
なぜか鳴らなかったんだ...」
スタッフコールっていって、PHSに緊急事態が発生したら鳴る音。
続けて言う先生。
△「血液検査をしたら睡眠薬を大量摂取した結果が出た。かなりの...」
なぜそう言った結果が出たのか。
翔くんの横に落ちていたペットボトルの成分検査するって。
「それって、もしかして誰かにってことですか。」
俺の言葉に頷く。
どういうことだよ...
＊
NOside
長時間左腕が冷えた床と接触していた影響で上腕から下の腕まで凍傷に。
色が青白く。
低体温症も併発している為、翔の身体は毛布に包まれている。
左腕のみ出して、処置台に人肌程度に温められたお湯の桶を置く。
擦るとさらに悪化する為かけ流す。
凍傷が落ち着くまで。
皮膚の色が肌色に近くなるまで。
症状の重さによって時間が掛かる為皮膚の観察は慎重に。
そして1番気になるのは大量摂取された睡眠薬。
血液検査の結果を見てすぐ内視鏡をしたが、すでに薬は全て吸収されていた。
その為薬の成分が抜けるのを待つしかない。
時間が経過していく度に翔の身体を薬が苦しめる。
脈が速くなり、血圧の数値は高めがモニターに表示されている。
脈が速すぎると心不全に陥る可能性が高く。
血圧が高すぎると脳の病気とかの可能性が高くなる。
どちらにしろ良くない。
翔に酸素マスクが付けられる。
なんとか呼吸停止までいかなかった。
酸素マスクが白く曇る。
しかし、意識は戻っていない。
しばらく昏睡状態になる。
薬の効果が強いからだ。
凍傷部位に包帯が巻かれた。
左腕を毛布に包む。
凍傷部位には当てないを注意しながら、翔の全身にヒーターを当てる。
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年8月24日 23時
