心のかさぶた ページ17
和side
「A...」
時計の針がテッペンを過ぎる頃俺は病院に到着した。
それは帰ったほうがいい！って周りにも理解してもらい、何とか新幹線の終電に乗り込みこっちに帰ってくることが出来た。
首元が痛々しい。
ガーゼで隠れてはいるけど捲ったら...
やめよう考えるのは。
「さとにぃ...まだいたんだね。」
気配を感じて後ろを振り向いたら智兄の姿。
家族用の仮眠室にいたんだって。
智「とりあえず帰って来れて良かったよ。まだ麻酔効いてるから...しばらく覚めないんだ、ちょっと話さない？」
また来るねとAの頭を撫でて智兄について行く。
連れてこられたのは家族用の仮眠室。
個室だからプライベートの心配はない。
「そっか...ん...」
事件の詳細を聞く。
色々考えてしまう部分もある。
でも、これで解決出来るならって安心感も。
智「今ね、かなりそれのことがテレビでやってるからAがあまり目に触れないようにしないといけない」
確かにネットニュースを見るとトップに出てくる。
記者が色々現場って言っている映像も。
見たくなくてそっとニュースを閉じる。
智「それでなんだけどさ、もしかしたらA心の面でケアが必要になりそうなんだ。事件の事を鮮明に覚えているらしくてさ...」
はぁ...とため息をつく智兄。
『怪我はしているものの、命に別状はないそうです。』ってアナウンサーの声が思い浮かぶ。
命に別状なくても、心に大きな傷。
命には変えることが出来ない。
「みんなは？仕事？」
智「ん。明日早いらしくてさ、とりあえず僕は明日休みとった。」
もしかしたら、しばらく休むかもって。
俺は2泊3日で出張のはすだったからあと2日は仕事がない。
Aになるべく寄り添いたい。
1人で怖かっただろうから。
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年8月24日 23時
