王子のほんと！

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ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…


頭に鳴り響く目覚ましにイラつきながら体を起こす。
今日も仕事だ。


のそのそとベッドから出て準備に取り掛かる。
仕事は嫌いではない。けど会社に行くまでの準備やら電車やらがめんどくさいのだ。


「よし、」


鏡の前で気合を入れて、今日も家を出る。



「おはよ〜」


純 「おはよ、今日も顔死んでんなあ笑」


そう言って目の前で笑うこの人は同期の河野純喜。

仕事がめちゃくちゃできるのに威張ってないし誰からも好かれる生粋の陽キャで物凄くいいやつだ。


純 「でも気持ちわかるわ、そろそろやもんな」



純喜が言うそろそろ、というのは繁忙期のことだ。
この会社の繁忙期は死ぬほど忙しい、が私たちの部署は他と比べて比にならないくらい忙しい。


この会社に勤めて3年目になるけどこの時期だけは本当に毎日辞めたいと思いながら会社に来ている。



純 「ま、終わったらめちゃくちゃ入るボーナスに期待して頑張ろや」


「それがあるとわかってても嫌なものは嫌だ〜」


忙しいけど悪いことだけではなくて、繁忙期の後に入る給料はニヤニヤが止まらないくらいなのでそのために頑張っている。



純 「そういえば今日よな、異動してくる人って」



「あれ、今日からなの？ご愁傷様だね…」



純 「まあ、俺もそう思うわ…笑」



「でも部長が仕事めちゃくちゃ出来るって言ってたから期待」



純 「そんなん言っても自分の仕事量は変わらんで笑」


ほら、仕事せえと笑いながら言ってくる純喜を睨んでパソコンに向き合う。



部長 「みんなーちょっと注目してくれー」


と言う部長の隣にはみたこともないイケメンが。


部長 「前に異動の話をしたが、今日から一緒に働くことになる白岩くんだ。何か一言お願いできるかな。」


瑠 「今日から一緒に働かせていただきます。白岩瑠姫です。本社のみなさんとお仕事できるの楽しみにしてました！よろしくお願いします。」


女子たちがざわざわとしている。のも分かる。
お辞儀した後の笑顔も王子様と思うくらいかっこよくて。

本社にきたのもきっと仕事ができるからで…

ええ…あんなにかっこよくて仕事もできて本社に引き抜きって…すごいな…



とずっと見ていたら目があってしまった。
ぺこっと会釈してくれる。

うーーーーーん、かっこいい。



部長 「じゃ、みんな仲良くしてやってくれ。席はあそこな。」


と言って私の隣のデスクを指さす。



マジか………

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