~MY treasure ~ (ページ42)

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さんじゅうはち　ヨシside ページ42

そのあとは久しぶりだねと話し、今日はテイクアウトじゃないと伝えると
Aの顔はすこし嬉しそうで。

ヨシ「なにニヤニヤしてるんですかー(笑)」

とからかった。

してないという彼女がまたかわいくて、俺もさっきまで疲れてたはずなのに
もう吹っ飛んだ。

俺はいつものを頼み、カウンターに座る。
忙しいっていってたのに、意外とみんな来てくれてるよねと嬉しそうな顔するA

まあ俺は、少し目的が違うけど…

ヨシ「最近誰かさんが休みなこと多くてみんなさみしいって言ってたよ」

俺が一番そう思ってる。なんて言えたらかっこいいけど言えるはずもなく。
この店の料理を気に入ったジュンギュなんかは「食べに行きたいよ～」ってさみしがってはいたけど…

こういう時間がもっと続いたらいいのに。

「あのさ…

ハルト「ういーす」

話そうと思った瞬間、よく知ってる声が聞こえる

「え、あれ、ハルトいらっしゃい」

そう笑いながら声をかけるA。

ハルト「いやー疲れたねー今日も」

と言いながら楽しそうに話す二人。
見なくてもわかる、俺らには見せたことのない顔で、声でAをみているんだろうな。
Aもきっと…

俺と話すときとは全く違うAの声色に、勝手に落ち込む。

でも、今は、今だけは俺のことを見ていてほしかった
俺とAだけの時間だったのに…

彼氏でもなんでもない俺がこんなことを思うのはお門違いだって、わかってる。
それでも俺の中を埋め尽くす黒い感情。

ハルト「じゃ、俺これで…ってヨシくん！？」

ヨシ「はは、お疲れ」

こっちに気づいたのか、驚いた声を出すハルト。

ハルト「おるんやったら声かけてくださいよ～、びっくりした」

屈託のない笑顔で隣に腰掛ける。
ごめん、俺、今はいつもみたいに接するのが難しそうだ。

年上なのに、兄なのに、ごめん。
さっきから自分を支配する嫉妬めいた感情にどうすればいいのか
自分でもわかってないんだ。

ハルト「おーーいヨシ君？」

俺の目の前で手を何回か振るハルト。

俺もそれだけかっこよかったら…なんて
どんどん自分が嫌な奴になっていくみたいだ。

「ん？なに？(笑)」

ハルト「いや、ぼーっとしてるからさ」

ハルト「ていうか、ここにくるなら俺も誘ってくれたらよかったのに」

「いや練習するのかとおもってさ(笑)」

なんて思ってもないこと。
さっきから俺が俺じゃないみたい。