６.Ｆ ページ6
そわそわと落ち着かない俺を他所に、浴室から響く叫び声。
トクトクと脈打つ心臓が、ドクンと大きく跳ね上がる。
慌てて浴室に向かうけど、よくよく考えたら…俺らしくもない。
「…何で、こんな焦ってんの、俺。」
何でもないと言い張る北山を思い出しながら、真新しいシーツに覆われたベッドに勢いよく飛び込んだ。
ジーンズに仕舞いっぱなしのスマホに手を伸ばす。
見慣れた親友の名前を見つめて、
「…助けて、わた。俺、死んじゃう。」
…ドキドキし過ぎて。
繋がらないスマホと睨めっこしながら、思い浮かぶのは…、
恥ずかしそうに俺の指先に顔を埋める北山の姿。
「っああっ、もう！」
ガシガシと髪の毛を掻き毟りながら、その重たい身体をゆっくりと起こす。
ベッドのど真ん中に胡座を掻いて座り込みながら、その膝に自分の肘を預ける。
ぼんやりと重たい頭をその肘で支えて、
「…北山が、可愛くみえる。」
ほとんど無意識に零れ落ちる言葉。
「…っ！///」
言った言葉にじわじわと徐々に俺の心を侵食して、急に恥ずかしくなる。
急激に熱くなるその顔を、咄嗟に俯ける。
不幸にもそんなタイミングでバタンと扉が閉まる音。
聞こえる音先に、コソッと視線を寄せる。
小さな身体に、大きなバスタオルを被って出てくる北山。
Ｋｉ「…お先。」
「……、」
小さく呟いた北山の言葉なんて、簡単に通り過ぎてゆく。
ぽたぽたと滴る水音と共に、固まって動けない俺に無遠慮にも近付いてくる北山。
Ｋｉ「…藤ヶ谷？」
怪訝そうに眉根を寄せて覗き込んでくる北山に、慌ててその肩を押した。
「…っ、ベッド…濡れるだろ。髪の毛くらい乾かせよっ、」
酷く瞳を揺らして俺を見つめるから、不安にさせたと思って、口早にその理由を告げた。
それに安堵の表情を浮かべる北山に、トクンと小さく脈打つ心臓。
Ｋｉ「…っ、///ごめん、すぐ…乾かすよ。」
苦く笑って…
また、浴室に消えようとする北山の腕を何故かパシリっ、
思い切り掴んでしまった。
…何してんだ、俺。
北山に…、そんなに離れてほしくない…？
自身の心に、自問自答しながら、
「…俺が、乾かしてあげる。」
そんなことを口走っていた。
気付いた時には既に遅し。
もう後戻りはできない。
勘違いじゃないその温もりに、
俺は…ウソなんて付けないよ、北山。
ここから先、どうなるかなんて…俺にもわからない。
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HydrangeA(プロフ) - こんばんわ！このお話、大大大好きです！！二人の雰囲気はもう、理想とするもので続編のメンバーもとてもリアルに感じました！素敵なお話をありがとうございます。今後も、密かに期待をさせて頂きながら影ながら応援しております(^^)藤北、やっぱり最高です★ (2017年9月15日 23時) (
レス) id: ef84e39d34 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - よぞらさん» こんにちは(*^^*)初めまして！コメントありがとうございますm(_ _)mとっても嬉しいです〜超雑短編でしたが楽しんで頂き良かったです！ありがとうございますm(_ _)m (2017年2月16日 16時) (レス) id: e831b14932 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - puuさん» こんにちは(*^^*)お久しぶりです！どうですかね〜笑果たして続きはわかりませんが、いつか書けたらいいですよね(他人事)ありがとうございます♪( ´▽｀) (2017年2月16日 16時) (レス) id: e831b14932 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» こんにちは(*^^*)いつもありがとうございます！さてその後どうなったのでしょうか笑是非妄想して楽しんで下さい♪( ´▽｀) (2017年2月16日 16時) (レス) id: e831b14932 (このIDを非表示/違反報告)
よぞら(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！とても面白かったです。ますます続きが気になりました。オマケのオマケを作って欲しいと思いました！！ (2017年1月19日 14時) (レス) id: 9df9c92bca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑
| 作成日時：2017年1月8日 13時
