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藤ヶ谷にあそこまで言われると、正直どうしていいかわからなくなる。
渋々了承して、重い腰を上げる。
藤ヶ谷と同室って…何年ぶり?
あー…っと、ジュニア以来?
落ち着かない雰囲気の上に、募る緊張感。
俺の後に付いて歩く藤ヶ谷の気配を微かに感じながら、ホテルカウンターへと向かう。
中々高級感溢れるホテルなだけあって、チェックインは、淡々と進んでいく。
改めて、
ス「2名様ですね。ご予約頂いております、北山様、藤ヶ谷様。こちらにサインをお願い致します。後ほど係員がお部屋までご案内致しますね。」
そう、
改めて…そうはっきり言われると妙に恥ずかしいのは何だ。
じんわりと熱くなる頬はスルーして、その姿が藤ヶ谷に見つからないように、素早く自身の名を綴る…、
F「俺も書く?」
「…っ⁈のわっ、///」
綴ったはずなのに、微かに耳元に感じる吐息に慌ててその場から飛び退く。
俺の奇行為に怪訝そうに俺を睨む藤ヶ谷。
F「…何だよ。」
そう言って、俺が手放したボールペンを握って、
F「さっきから、ムカつく。」
言いながらその続きを綴る。
はっきりと聞き取れた言葉に、
「…っごめん、」
慌てて謝るけど、
F「…別にいいけど。」
トゲトゲしい言い方に、
…っ、絶対怒ってんじゃん。
何…、何で⁈
え、俺が悪いの⁈
ちょっとびっくりしただけじゃんっっ、
意味不明な藤ヶ谷の態度に、俺の思考は彷徨い始める。
ムッとした藤ヶ谷の雰囲気をヒシヒシと感じ取りながら、礼儀正しく挨拶した係員に付いて、エレベーターに向かう。
だんだんとリアルに実感し始めた現実に、
本当に大丈夫?
俺、藤ヶ谷と一緒に一晩過ごすの?
あの…藤ヶ谷と?
ぐるぐると彷徨う思考に埋め尽くされながら、俺の視界に藤ヶ谷の背中が映り込む。
何も言わずに、先々に歩く藤ヶ谷。
その後を小走りに追う。
係員と一緒に、二人、エレベーターに乗り込んで、
F「…今更。」
「…え?」
F「…観念しろってこと。」
藤ヶ谷に見降ろされた視線に、
「…っ!///わかってる…よ、」
一瞬カッと熱くなる身体。
F「そっ。ならよかった。」
それからすぐにフッと俺から離れていくその視線。
どうしてそんなに落ち着いていられるのか。
俺の瞳には、そう映る。
こんなにドギマギしているのは俺だけ?
…こんなにドキドキしているのは、俺だけなんだろうか?
誰か、どうにかしてくれ。
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HydrangeA(プロフ) - こんばんわ!このお話、大大大好きです!!二人の雰囲気はもう、理想とするもので続編のメンバーもとてもリアルに感じました!素敵なお話をありがとうございます。今後も、密かに期待をさせて頂きながら影ながら応援しております(^^)藤北、やっぱり最高です★ (2017年9月15日 23時) (レス) id: ef84e39d34 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - よぞらさん» こんにちは(*^^*)初めまして!コメントありがとうございますm(_ _)mとっても嬉しいです〜超雑短編でしたが楽しんで頂き良かったです!ありがとうございますm(_ _)m (2017年2月16日 16時) (レス) id: e831b14932 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - puuさん» こんにちは(*^^*)お久しぶりです!どうですかね〜笑果たして続きはわかりませんが、いつか書けたらいいですよね(他人事)ありがとうございます♪( ´▽`) (2017年2月16日 16時) (レス) id: e831b14932 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - たまちゃんさん» こんにちは(*^^*)いつもありがとうございます!さてその後どうなったのでしょうか笑是非妄想して楽しんで下さい♪( ´▽`) (2017年2月16日 16時) (レス) id: e831b14932 (このIDを非表示/違反報告)
よぞら(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!とても面白かったです。ますます続きが気になりました。オマケのオマケを作って欲しいと思いました!! (2017年1月19日 14時) (レス) id: 9df9c92bca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2017年1月8日 13時