悪魔の囁き②【魔入間】 (ページ10)

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５３話ページ10

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「アロケル・シュナイダー」
「我、考える葦」
「アンドロ・M・ジャズ」
「は〜い」

　私も貰った名簿を見ながら、呼ばれた生徒の顔と名前を改めてしっかりと一致させる。

「イクス・エリザベッタ」
「はぁい」
「ウァラク・クララ」
「はーい！エギ先生ー！！」

　カルエゴくんがウァラクさんの名前を呼ぶと、彼女は立って手を振りながら、彼に向かってエギー先生と呼び返す。

「その呼び方はやめろ」
「やっぱり嫌なんだね、エギー先生って呼ばれ方……」

　ウァラクさんの呼び方に釘を刺すと、気を取り直して再び出席確認に戻る。

「カイム・カムイ」
「……」
「カイム・カムイ！居ないのか！」
「はっ、はい！」

　イクス・エリザベッタさんの後ろに座っているカイム・カムイくん。どうやら彼女に見惚れていて返事が遅れたようだが、先程の質問といい名簿にも書いてある通り、セクハラ行為によって問題児(アブノーマル)クラスに編入する事になったのは間違いないようだ。

「……ガープ・ゴエモン」
「居るでごさる〜」
「クロケル・ケロリ」
「はい……」

　眼鏡を掛けた大人しそうな女の子、クロケル・ケロリさん。これは問題児(アブノーマル)クラス担当の私とカルエゴくん、そして限られた教員しか知らない秘密の事なのだが、彼女は実は、どうやら今巷で大人気のアクドルらしい。

「シャックス・リード」
「はい！はいはーい！」
「……サブノック・サブロ」
「うーむ！！」

　先程いの一番に私に質問をしてきた彼、シャックス・リードくん。シャックスくんは確か、入学時にギャンブル騒動を引き起こしたせいで問題児(アブノーマル)クラスへ編入になった生徒。

そしてサブノック・サブロくん。サブノックくんは入学初日にブルシェンコ先生をいきなり襲撃してきた生徒だ。ブルシェンコ先生の家系能力もあり大事には至らなかった物の、襲われたブルシェンコ先生は彼に怪我を負わされて朝から大変だった模様。

「プルソン・ソイ」
「……」

　カルエゴくんが名前を呼んでも返事をしないプルソンくん。そんな彼にカルエゴくんは小さく唸る。サリバン様の仰っていた扱いがちょっと難しい生徒とは、彼の事なのだろうか。

「……で、入間」
「はいっ＿＿」

　入間くんを最後に、出席確認は無事に終了。

金品を盗む等のスリが原因でこのクラスへ入れられたアンドロくんも居たりと、生徒達は皆中々の個性派、曲者揃いばかりのようだ。

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