悪魔の囁き②【魔入間】 (ページ9)

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５２話ページ9

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「＿＿って、ちょっと待って！入間くん家メイドさんなんて居るの！？いや理事長の孫だからメイドさんくらい居て当たり前なのか！？」
「その上しかも先生もやってると…スペック高ぇ……」
「メイドさんに先生……！素晴らしい！！男のロマンですね！！羨ましいです！！」

　アスモデウスくんからの誤解が解けたかと思うと、今度は立て続けに猛り立った男子生徒達からの様々な声が飛び交う。

「えっと……」
「まぁ兎に角、そう言う事だから」

　興奮する生徒達を前にどうしたら良いのか分からず、入間くんは苦笑いで返す。

「初めての副担任だけど、皆の力になれるように私も頑張るから、これから宜しくね。授業で分からない事や質問があったら、私達になんでも聞いてね」

　私がそう言うと、金髪の人懐っこそうな男の子＿＿シャックス・リードくんが手を挙げた。

「はいはーい！じゃあ早速質問！A先生、彼氏いるの！？」
「好きな男性のタイプは？」
「スリーサイズを是非ッ！！」
「えっ、えぇっと……」

　そういうつもりで言った訳では無かったので、生徒達による怒涛の個人的な質問に困惑をする。しかも最後の質問に至ってはただのセクハラである。

「＿＿粛にッ！！」
「……っ！」

　私が困惑をしていると、カルエゴくんから助け舟が出る。

「貴様等、授業に関係の無い質問は控えろ。そしてカイム・カムイ。退学処分になりたくなければ、女性教員に対するこれ以上のセクハラ行為はよすんだな」

　鬼の形相で生徒達を叱責するカルエゴくん。私1人では狼狽えていただろう。やはり彼が居てくれて良かったと思う。

「ありがとう、カルエゴくん。助かったよ」
「A、貴様は何でも受け入れようとし過ぎだ。これ位の質問、適当に流せるようになれ」
「が、頑張ります……」

　カルエゴくんにお礼を言うと、溜息を吐きながら私もお咎めをくらってしまった。

「まぁ良い。貴様等さっさと席に着け。これから出席を取る」
「はーい」

　席に着くよう指示を出すと、皆大人しく彼の指示に従い、各々好きな座席に座る。

「では出席を取る」

　全員が席に座った事を確認すると、名簿を出して、一人一人、順々に名前を呼んでいく。

「アガレス・ピケロ」
「ふぁ〜い」
「アスモデウス・アリス」
「はっ！」

　名前を呼ばれると、席を立ち丁寧にお辞儀をしながら返事をするアスモデウスくん。出席を取るだけだと言うのに、やはり彼は礼儀正しい。

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