悪魔の囁き②【魔入間】 (ページ6)

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４９話ページ6

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　理事長室を後にした私達は、一先ず職員室に戻る事にした。

「クソッ…どうして俺があんな理由で問題児共を相手にせねばならんのだ！」
「まぁまぁ、カルエゴくんが優秀なのは事実なんだし…今の魔界でトップの高位階(ハイランク)悪魔に優秀って言われたんだから、誇りに思おうよ」

　理事長の前では露骨に表情に出しながらもなんとか堪えていたが、理事長室を出るや否や、会議の結果に不満爆発のカルエゴくん。

「色々と理由を付けてはいたが、要は面倒事を押し付けられたような物だろう…貴様は嫌では無いのか？」
「うーん…問題児って言っても、大事な生徒な事には変わりないし…この子達がどんな風に成長するのか興味あるから」

　貰った名簿に再び目を落とす。問題児(アブノーマル)クラスに入れば、周りから所謂落ちこぼれ扱いをされる対象になってしまうのは目に見えている。だが、まだ彼等は入学し立ての前途有望な悪魔達だ。卒業までにこの問題児(アブノーマル)クラスでどれだけ成長できるのか、期待したくなってしまう。

「あとそれに……」
「……？」
「カルエゴくんが担任なら、私も心強いって言うか、安心できるから…だから私は嫌じゃないよ」
「……！」

　私1人だったら自信は無いが、彼と一緒なら何が起きても上手くやっていける…根拠は無いけれど、なんだかそんな気がするのだ。

「カルエゴくんは生徒を平等且つ公平に評価してくれる良い先生だからね。理事長もそれを分かって担任にしたんじゃないかな」
「全く、お前は昔から俺を買い被り過ぎだ。もしかしたら俺が、担任と言う立場を使って入間を退学処分にする可能性も＿＿」
「大丈夫だよ。私の知ってるカルエゴ先生は、立場を利用してまでそんな事をするような悪魔(ひと)じゃないから。私の知ってるカルエゴ先生は、生真面目で厳格で、見た目は怖いけど本当は優しい所もあって…そして誰よりも教育熱心な良い先生だから」

　だから絶対に大丈夫だよ。私がそう言えば、彼は忽ち溜息を吐く。

「……やはりお前は俺を買い被り過ぎだ」
「えー、そんな事ないと思うけどなぁ……カルエゴくん、もしかして照れてる？」
「な……ッ！照れてなどない！！」

　そっぽを向いたまま此方を見ようとしないカルエゴくんの腕を指でツンツンと突けば、少し顔を赤くしながら反論をしてきた。

「でもまぁ、ちょっと大人気ないと言うか、子供っぽい所もあるけどね〜」
「オイ」

◇