悪魔の囁き②【魔入間】 (ページ15)

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５８話ページ15

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『だぁるぃ』
『あっ！ボス戦なのにセーブ忘れた！』
「……」

　これは授業であって遊びの時間では無いし、なんなら飛行レースなので順位も位階(ランク)に関係してくるのだが、羽で飛ばずに雲の様な使い魔の上に乗って飛んでいたり、ゲームをしたりと皆やけに随分とのんびりと飛んでいる。

『コホンッ…お嬢様方、共に飛んでも？』
『まっ、ナンパ？』

　暫く見ていると、今度はカイムくんを画面に映し出す。

『とんでもない！下心はございません。私はただ美しい貴方の下乳に埋まりたいのです』
『まぁ、直球』
「……」

　どうやら花を摘んでイクスさんとクロケルさんをナンパしているようだが、相変わらずド直球のセクハラ発言。イクスさんの隣に居るクロケルさんは、彼の発言にドン引いている。

『私の情熱、セーフですかッ！？』
『アウトー』
『あ、足ッ！26.5センチですね！』
「……」

　そのセクハラ発言に、イクスさんに顔面を踏みつけられるカムイくん。踏まれても尚、彼女の足のサイズを瞬時に推測している辺り、とんでもない情熱と根性である。

「……A」

　先程から黙って中継の映像を見ていた私達だったが、ふとカルエゴくんに名前を呼ばれる。

「何？カルエゴくん」
「……もしまた奴にセクハラ行為をされたら、今の様に構わず蹴っても良いからな」
「えっ」

　今の映像と、恐らく教室での出来事を危惧してか、私にそう告げるカルエゴくん。だが教師として生徒に手を出すのは不味いし、ましてやそれを推奨する教師もどうかと思う。

「えっと…生徒にそういう事をするのは教師として良くないかと……」
「構わん。担任である俺が許可する。それにお前は優しいからな、どうせまた受け流せずにそのまま受け止めようとするだろう」
「えぇ……」

　心配してくれる気持ちは凄く嬉しいのだが、なんとも横暴である。

『こちら第二中継魔〜』

　リモコンで中継を切り替える。次にモニターに映ったのは、アンドロくんとアロケルくん、そしてガープくんの3人だ。

『なぁ、怪鳥の卵って高いんかねぇ？』
『卵、塩派』
『各々方、お菓子食べるでござるか！？』

　巣にあった卵を盗み、高く売れるかどうかを思案するアンドロくんに、それを食べようとしてか否か、己の味の好みを主張するアロケルくん。ガープくんは懐からお菓子を取り出している。

「……」

　そして直後、3人は卵を盗まれて怒った怪鳥に囲まれ嘴で攻撃された。

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