悪魔の囁き②【魔入間】 (ページ12)

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５５話ページ12

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　カルエゴくんはシャックスくんからの質問に答えた後、説明し忘れていた大事な部分を付け足し、皆に告げる。

「なッ……！待てい！！金剪の谷も通過コースだろう！！」

　だが、説明をし終えた途端サブノックくんから抗議の声が上がった。

「あぁ。何故か金剪の長の気が立っていてな。今、金剪は立ち入り禁止なのだ」

　金剪の長＿＿それは金剪の谷を支配する、強大な魔獣の事。

私達が事前に仕入れた情報によると、どう言う訳かその金剪の長の気が立っており、金剪の谷は今、非常に危険な状態なのだ。

「長に遭遇したら、命の保証はないからな」
「なっ、らっ、ぬっ！！己は金剪にする！金剪でなければ意味が無いのだ！！」

　カルエゴくんが事情を説明するが、サブノックくんは金剪の谷に強い拘りがあるらしく、納得がいかない模様。

「知るかッ！コースに変更はない」
「サブノックくんには悪いけど、気が立っている今の長は凶暴だから。そんな危険な場所に、大事な生徒を行かせる訳にはいかないの」
「ぐ……っ！」

　そう言うと、サブノックくんは悔しそうに押し黙る。

「……じゃあカルエゴくん、私は先に行って旗の準備しておくね」
「あぁ、分かった。私もこいつ等が出発したら、すぐに其方へ向かう」
「うん。それじゃあ皆、ゴールで待ってるから頑張ってね！」
「はーい！」

　生徒達に声援を送ると、元気の良い返事が返ってきた。

「＿＿総員準備！」

　カルエゴくんの号令を耳にしながら、私は再びエレベーターへ乗り込み、一足先にゴール地点へと向かった。

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