嘘つきの私と最後の一年六時間目 (ページ24)

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彼女の時間・二時間目ページ24

鍵穴は四角い枠を開けることを防ぐ役割を担っている
これは間違いなく下に何かがあると僕らは思う

「けど鍵なんてこの部屋には無かったし……天宮本人が持ってるよなあ」

「……………」

顎に手を当てたカルマ君は脳を回転させているのかやがてはっとして自分のポケットを探った

取り出したのは小さな鍵。そう、この鍵穴に程好い大きさの鍵

「なんで持ってるの…?」

「昨日、託された」

言葉手短に鍵穴に鍵を突っ込み右に回すとかちり、鍵が解錠された音
恐る恐る蓋を開けるとその先は空洞が続いていた

梯子があるから先は単なる穴という訳でもなさそうだ
三人で顔を見合わせて梯子を下りるとそこは機械に囲まれた近未来的な部屋

下手に触って問題を起こすのは危険だと察し律に一通り任せる
その最中、僕たちは部屋を物色していく

「報告書……?それに個人リスト…おいおい、雲行きが怪しくなってきたぞ」

「考えてみれば…僕たち天宮さんのこと何一つ知らないんだよね」

「……本人が言いたがらない、ってとこもあるけど…そうだね」

プライバシーの侵害にならないかと思いつつも書類に目を通すのはやめない
何かしらのヒントがあるかもしれない希望を捨てたくなかった
ふと、机の引き出しの裏に何かが貼りついている

壊さないように慎重に取り外し手中に収まった丸い黒い物体に疑問を抱く
途端、機械音を響かせたかと思うと空中に映像を浮かべた

「渚!?何やったんだよ!」

「これ…!」

勝手に起動した球体に慌てているとカルマ君が唖然とした様子で文字列を目で追った

「藤ノ木弔の拠点について記されてる」