嘘つきの私と最後の一年六時間目 (ページ2)

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期末の時間・二時間目ページ2

学園祭が終わればいよいよやってくるのは学生の本業でもある勉学の集大成、テスト

一学期の中間ではクラス全員が50位以内という目標を立てた結果は惨敗。けれど今は違う

このクラスは頭脳も精神も成長した、どんな策略や障害にも負けることなく目標を達成できると殺せんせーは口にして全体から私達へ注視する

「さぁてこの1年の中間では、いよいよ次は学の決戦です。トップを取る心構えはありますか?
カルマ君、天宮さん」

皆からの注目を浴びる名指しにちょっぴり恥ずかしくて隣のカルマくんを見る

目が合ってももう逸らされることはなくて、互いに口許を歪めた

「さぁねぇ。バカだから難しい事わかんないや」

『いつも通りやるよ』

●●●

A組の担任はいよいよ理事長が担当する事になったらしい
とうとうやってきたラスボス。きっとA組のレベルは格段と上がってくるだろう

「…あれ?浅野君だ」

理事長の手腕がいかに恐ろしいか有希子ちゃんと話していた帰り道、カエデちゃんの声によりピタリと止まった

今は会いたくないんだよなあ……会いたくないんだよなあ

「こんな事は言いたくないんだが…君達に依頼がある」

「……?」

「単刀直入に言う。あの怪物を君達に殺してほしい」

突然舞い込んだ殺害依頼。詳しく聞くと理事長本人ではなく彼の教育方針を殺してほしいらしい

簡単な話、次の期末でE組で上位を独占しA組を上回り理事長の教育は間違いだと知らしめたいようだ

「どーいう事よ、なんでA組のおまえが…」

「…浅野君、君と理事長の乾いた関係はよく耳にする。ひょっとして…お父さんのやり方を否定して…振り向いてほしいの?」

『違うよメグ』

口を挟むつもりはなかったが、黙っているのも性に合わない。浅野くんの訝しげな視線を受けて私も逃げ腰なのは止めようと彼を見つめ返す

『浅野くんと理事長の関係は二人ともあれが親子の形だと思ってる。そうでしょ?』

「……ああ、その通り。父親だろうが蹴落とせる強者であれ。そう教わって来たし…そうなるように実践してきた
彼女の言うように、それが僕等親子の形だ」

けれど浅野くん以外のA組は違う。私達への憎悪を支えに限界を超えて勉強させられている。彼が言うには今の教室は地獄なんだって

「＿時として敗北は…人の目を覚まさせる。だからどうか…正しい敗北を、僕の仲間と父親に」

プライドの高い彼がクラスの仲間の為に頭を下げている

本心で話し、本気で他人を気遣う浅野くんに近寄る影がひとつ