命を燃やして叫んでる 参

恋を焦がして何となる ページ24

夢見が悪い。それはずっと前から心の奥底にこびりつくあの日の影響だ

今日も又、異能を限界まで使った罰だと言わんばかりに目の前で自分が恐怖に支配される夢を見る

人殺しの自分に対しての罰だ。これは
大事な人を守ることは愚か、殺してしまう私の罰だ



自嘲気味な考えに呆れていると目の前の地獄絵図は真っ白なものへと変わっていった

突然の出来事に流石に反応できず何度か瞬きを繰り返す。何だろう、左手が暖かい気もする
誰かが握っているのか。声が聞こえた


私を呼ぶ、あの人の声だ


「……、………」


悪夢が消えるなんて初めてだが、こんな所でも無効にできるのか。彼の異能はなどと莫迦な思考に笑い私はいい加減夢から飛び出した



先ず最初に感じたのは温もり、次に鼻を擽る消毒液の匂い、そして体が鉛になったのかというほど重い。ということだ


『……うっ、』


浮上した意識と共に目蓋を持ち上げ慣れ親しんだ医務室の天井を眺める
そろそろ与謝野先生に怒られそうな気もするが、抗争中は仕方がないと思う


なんて、思っているのがバレているのか険しい顔で乱歩さんが此方を見ている


「………僕が云いたいこと、判るね」


『…………はい』


有無を云わせぬ口振に一気に目が醒めた
起床早々、お説教を食らったのは云うまでもない

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