ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス(後編) ページ37
挑発ともとれる発言に反応を芥川くんの代わりに示したのは樋口さんだ
「………ッ、零細探偵社ごときが!我らはこの町の暗部そのもの!
傘下の団体企業は数十を数え、この町の政治・経済の悉くに根を張る!
たかが十数人の探偵社ごとき__三日と待たずに事務所ごと灰と消える!我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ!」
長ったらしい常套句には耳が腐るほど聞き覚えがあって私はため息を吐くし太宰さんも面倒そうに眉をひそめる
「知ってるよその位」
『其はもう聞きあきた』
「然り。他の誰より貴方達は悉知している」
私達の反応に当然と云うように彼は続ける。
何故かって、それは
「__元マフィアの太宰さん、そしてA」
私たちが元ポートマフィアの一員だったからである
もう四年も前の話であるけれど
「なっ……この二人が……?」
樋口さんは配属されたのが四年前より後なのだろうか、芥川くんから語られた真実に驚愕している
『何でもいいけど、もう今日は帰ってくれる?結構疲れてるんだよね…』
異能力を連日使いすぎて正直限界が近い。眠いのよほんと
早く寝かせろ
「この儘私の腕の中で眠ればいいのに」
『太宰さん手を出してきそうだから安心出来ない』
「信用ないな……私、紳士だよ?」
『何処が』
茶番を始める私達に巫山戯るな、と怒りを表す樋口さんが視界に入り込んだ
だから警告しておこう
『その銃を向けるのは止めた方がいいよ。何故なら引き金を引く前にキミが死ぬから』
「ハッタリを!そんな脅し…」
『…先刻立証したでしょ?私の云ったことはそうなるって』
彼女の撃った弾丸を中らないと云った時のことを思い出したのか樋口さんは銃を下ろしてくれた
「流石に私の前では其はさせないけど」
「樋口の死を願う代わりに自らの命が代償となる……愚行だ」
『はいはい。分かってます』
異能力__或る少女の死まで
ある程度の願いを叶える代わりに代償が必要になる異能力
口にしなければならないから使い勝手は悪い
『私に説教垂れるんじゃなくて、早く帰ってよ…』
「あー……Aが激怒する前に去った方が身のためだ芥川君」
駄目だ、眠気がひどい。もう意識を保てない
船を漕いでいると太宰さんが決めつけに頭を撫でてきたのでもう寝るしかないよね
Until girl's death.→←ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス(後編)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年7月7日 17時