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ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス(後編) ページ33

戦闘は出来るだけ避けたかったがこの状況を打開する策が思いつかない為どうしようもない


太宰さんを呼べれば効果的なんだろうけど携帯は敵の目の前で取り出すには無理がある

黒衣から繰り出される羅生門の下からの突き上げに串刺しにされる前に回避、直ぐに上から私を狙う黒獣も回避


右に避け反撃と左で持つナイフで地面に縫い付けるよう突き刺し動きを止めた瞬間右のナイフで切り裂いてやる


たが、芥川くんの羅生門は自らが纏う黒衣があってこその異能力であって
まあ何度でも甦るのよこれが


(身ぐるみ剥いだ方が早いな)


地面に刺さったままのナイフは抜き取らない
多分取る前に殺されてしまう


姿勢を低くしてからぐっと脚に力を入れナイフを構える

まう一度放たれた全方向からの羅生門に逃げ道はない、から


『ちょっとワクワクするじゃん……?』


一点集中で狙われれば通れる道なんて一つしかないのだから

力を入れた脚が地面を蹴り出して目指すのは真正面、一直線


追尾型は回避するより元を叩いた方が早い
実践経験から編み出された無謀すぎる策に笑ってしまう


羅生門が私を貫くよりも早く芥川くん本体に間合いを詰め容赦なくその頚を狙う

が、私を追尾していた羅生門を一時的に解除させナイフの刃を凌いだ


ナイフをはね除けられ一歩、二歩後ずさった私の脚を狙い無力化を図る黒獣にすかさずその影を踏み後ろに跳ねる


着地した途端、不意に視界がぼんやりしてきた
ありゃ、不味いや


(…異能力の使いすぎで睡魔が襲い掛かってきた)


「貴様……まさか、僕に挑んでおきながら本調子でないな」


『私は何時も本気で殺り合ったことなんてないよ。一度も』


地面を踏み締め何とか意識を保つが体の限界が近いのは間近かもしれない
ここ数日、無駄に異能を使ったからか


『っ、“ギロチンの刃”!!』

それでも異能を使わずにはいられない

前方から迫る黒獣に飛び蹴りをかまし背後からの羅生門は上から降ってきたギロチンで切断


襲い掛かる睡魔に欠伸を漏らした隙を芥川くんは見逃すほど甘くはなかった


蹴りあげた黒獣がその勢いを残したまま敦くん目掛けて迫る


(しまった__)


敦くんを人質にとられば私も抵抗しないと分かっているのだろう。そのとおりだ
やっぱり芥川くんは私の性質をよく知ってる


『“庇え”!!』


だから私のこの行動も全部わかっていたんじゃないかなあ

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作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年7月7日 17時

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