原田の溜息 ページ10
バーン！！
貴女「！？」
突如、頭に直接響いてきた銃声。
Aは歩いていた足を止め、沈みつつある夕焼けを見た。
原田「A・・？」
原田の声に彼は我に返る。
隊の殿を原田と務めていた彼の行動に、原田も足を止める。
撤退の準備をし、伏見奉行所を出て約半刻が過ぎた。
大阪城へと陣を移す事になった新選組は淀城に援軍を呼びに行った井上と千鶴を気にしつつ、大阪城への道のりを歩んでいたのだった。
原田「どうした？」
Aは一度、原田から視線を逸らした。
そして、暫し考える様な仕草をし、もう一度目を合わせる。
貴女「原田君・・、少し出かけてくる。」
原田「な！？おい待て神内！！」
そう言い終わるや否や、Aは来た道を走り出した。
その姿に原田は小さく舌打ちする。
土方に報告をしようと原田は列の先頭を振り向くが、それと同時に土方が原田の隣を通り過ぎた。
原田「土方さん！！」
土方「原田！後はお前に任せる！！」
原田「お、おい！！」
追いかけ様とした原田を制し、土方はAを追って行ってしまった。
どうすべきか、原田は狼狽した。
だが、最後に本日二度目の舌打ちをした。
原田「ったく、Aも土方さんも勝手だな。」
激しい悪態をついて、原田は隊を先に進める事を選ぶ。
呆れにも似た溜息を深くつき、先頭にいるであろう永倉に大声で叫んだ。
原田「新八！先に進むぞ！！」
その声を聞いた永倉が、再び歩き出した。
だが、その列を乱し逆走してくる者が一人。
原田「斎藤・・」
その者を確認した原田が、斎藤の名を呼ぶ。
斎藤は感情の読み難い面持ちで、
斎藤「俺が副長を追いかける。」
と、告げた。
斎藤「神内が行ったと言う事は、何か良くない事があったのだろう。
源さんと千鶴の事も心配だ。」
斎藤の言葉に原田は頷いた。
原田「そうだな、よろしく頼むぜ斎藤。」
斎藤「あぁ。」
口元を僅かに緩め、斎藤は微笑んだ。
すぐさま二人を追いかけ、走り出した斎藤の背を見送りながら原田は再び溜息をつくのだった。
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岬鬼(プロフ) - iwaさん＞お久しぶりです！戻って参りました。 少しずつですが、完結できるよう更新していきます。安定しない活動になるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします！ (2020年10月23日 19時) (
レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - お帰りなさい。これからも無理しないでくださいね。 (2020年10月21日 21時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - kirinさん» kirinさん＞はじめまして！閲覧、コメントありがとうございます！以前から読んでいただけていたなんて、とても嬉しいです！これからも長く更新できない時期があったり、安定しない活動になるかもしれませんが、完結まで頑張って参ります！よろしくお願いします！ (2020年8月11日 16時) (レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
kirin(プロフ) - はじめまして、初コメ失礼します。以前から読ませて頂いていまして、何度も読み返していたので更新再開されたとのことでとても嬉しいです！陰ながら応援しております！ (2020年8月11日 4時) (レス) id: dce83ecbd9 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - iwaさん» iwaさん>ありがとうございます！なかなか安定した更新は難しいですが、努力していきます！気長にのんびり待っていてくださると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年7月8日 23時) (レス) id: 17ab3ad94f (このIDを非表示/違反報告)
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