2人 NEW ページ40
千里眼で既に逃走経路は探ってある。
常に配置されている見張りの位置も確認済みだ。
あとはこの屋敷から出るだけだ。
貴女「この廊下の突き当たりは左右に分かれている。
右は庭へ続いて、左は門に続いていて、その先は江戸の市中だ。
けど、門には常備された立番いる。
庭は不定期に巡察がくるから、叶の能力で敵を探って庭から外へ出よう。」
叶「了解。」
2人は突き当たりを右へ進んだ。
もう少しで庭へ出られる。
そんな時に叶は足を止め、
叶「こっち。」
と、廊下途中の襖を開けて座敷へAを導いた。
言われた通り座敷へ入り、2人は箪笥の影に身を隠して停止する。
貴女「どうしたの？」
問うた瞬間、Aの千里眼に敵の姿が映った。
巡察なのだろう。
注意深く屋敷を観察しながら、敵は先ほどまで2人がいた場所へ歩を進める。
あのまま進んでいたら敵と遭遇していただろう。
そう思うと背筋に冷や汗が伝った。
叶「人が動く際にも風が起こるから。」
貴女「なるほど。」
叶の察知能力は雨の日の千里眼よりも早いのだろう。
千里眼を鮮明に開く際は深く意識を集中せねばならない。
それが出来ない今は、どうしても千里眼の網が荒くなってしまうのだ。
周辺を探れるが、察知が遅い千里眼は言わば地図。
一点の風を読める叶の能力は言わば探知機。
これなら敵を避けて進んでいける。
そう確信した。
貴女「さぁ、行こう。」
再度廊下を歩き、屋敷の庭へ出られた。
激しい雨風に雨戸が軋む音がする。
雨で服が濡れ、髪が水を吸ってその水が汗の様に流れた。
外へ出るための裏口へ進んでいくが、
叶「敵よ！」
と、叶が悲鳴の様に言った。
遅れて千里眼にも敵を確認し、その後肉眼でも敵を見止める。
庭には隠れる陰はない。
容易に2人を見つけた敵はすぐに銃を構えた。
思わず叶を庇って身を構えた。
だが飛んだのは銃弾ではなく、敵の体だった。
敵「ぐわっ！」
何が起こったのか理解できなかった。
叶を見ると手で印を組んでいる。
その印を組んだ直後、敵は暴風に吹き飛ばされたのだ。
貴女「叶、君は・・」
だが安心したのも束の間。
衰弱していたところに叶が力を使ったことはすぐに理解する。
叶の体から力が抜けると、Aへ寄りかかりそのまま動かなくなった。
絶望的な状況で妙に冷静にAは思った。
叶が何故、あれ程厳重に拘束されていたのかを・・
続く (更新停止中)
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岬鬼(プロフ) - iwaさん＞お久しぶりです！戻って参りました。 少しずつですが、完結できるよう更新していきます。安定しない活動になるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします！ (2020年10月23日 19時) (
レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - お帰りなさい。これからも無理しないでくださいね。 (2020年10月21日 21時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - kirinさん» kirinさん＞はじめまして！閲覧、コメントありがとうございます！以前から読んでいただけていたなんて、とても嬉しいです！これからも長く更新できない時期があったり、安定しない活動になるかもしれませんが、完結まで頑張って参ります！よろしくお願いします！ (2020年8月11日 16時) (レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
kirin(プロフ) - はじめまして、初コメ失礼します。以前から読ませて頂いていまして、何度も読み返していたので更新再開されたとのことでとても嬉しいです！陰ながら応援しております！ (2020年8月11日 4時) (レス) id: dce83ecbd9 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - iwaさん» iwaさん>ありがとうございます！なかなか安定した更新は難しいですが、努力していきます！気長にのんびり待っていてくださると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年7月8日 23時) (レス) id: 17ab3ad94f (このIDを非表示/違反報告)
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