三つの種族 ページ36
協力関係を結託してから数日が経った。
互いの能力によって逃げ出すための大方の算段は付き始めていた。
叶の能力でこの場は平屋の奥部屋である事がわかった。
ともすれば、ここの入り口や逃走経路は一つではない。
そして地形は驚くことに江戸の町中である事が判明していた。
人込みに紛れることが出来れば逃走も難しくない。
そして見張りの位置、経路、その後身を隠す場所、確認は十分。
すべての計画は整った。
あとは雨を待つだけ・・
叶「あなた都京助は知っているの？」
唐突によく聞き知った名前が出てAは顔を上げた。
貴女「もちろん、私の師みたいな人だからね。
君も京助さんを知っているの？」
叶「えぇ、私たちの世界じゃ有名ね。
人外の世界であれだけ手広く精通して、人間の世界でも影響を与えている。」
貴女「私たちの世界？」
Aは京助の事よりも、叶の言った言葉が気になった。
叶は人間ではなく『風使い』と名乗った。
恐らく己と同じように人間というには少々語弊のある種族なのだろう。
それこそ風間千景のように『鬼』というような・・
叶「え？知らないの？」
叶は思わずという風に声を上げた。
叶「三つの種族がある事は知ってる？」
貴女「・・知らない。」
彼女の言葉に思わず首をも振った。
叶「人間、鬼、使い魔の３種族の事でね。
使い魔はさらに細かく分かれている。
霊威の鬼はもともと使い魔と鬼の間に生まれた人が、更に人間と交わって生まれたと聞いてる。
その三つの血の引き、力の強い者を掛け合わせて作ったのが都家ね。」
知らなかった。
その都家の分家であるAの神内家は人となんら変わりない。
本家筋でもないのに、その事実を知る事もなかったのだ。
叶「都京助はどの種族にも広く顔が利いてね。
三種族すべてに血縁がいるから、なんでもよく知っているものよ。」
だから、と叶は話を続けた。
叶「あなたが霊威の鬼なのに何も知らなくて驚いた。
私が風使いと言っても、さしてあまり反応しなかったのも理解できたわ。」
貴女「ただの人間だと思って暮らしてきたからね。
その話、もう少し詳しく聞かせてほしい。」
叶「逃げ出せたら話してあげるよ。」
そういう叶の口調は突然いたずらを考える幼子の様になった。
叶「二日後雨が降る。
しかも大雨だわ。」
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岬鬼(プロフ) - iwaさん＞お久しぶりです！戻って参りました。 少しずつですが、完結できるよう更新していきます。安定しない活動になるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします！ (2020年10月23日 19時) (
レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - お帰りなさい。これからも無理しないでくださいね。 (2020年10月21日 21時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - kirinさん» kirinさん＞はじめまして！閲覧、コメントありがとうございます！以前から読んでいただけていたなんて、とても嬉しいです！これからも長く更新できない時期があったり、安定しない活動になるかもしれませんが、完結まで頑張って参ります！よろしくお願いします！ (2020年8月11日 16時) (レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
kirin(プロフ) - はじめまして、初コメ失礼します。以前から読ませて頂いていまして、何度も読み返していたので更新再開されたとのことでとても嬉しいです！陰ながら応援しております！ (2020年8月11日 4時) (レス) id: dce83ecbd9 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - iwaさん» iwaさん>ありがとうございます！なかなか安定した更新は難しいですが、努力していきます！気長にのんびり待っていてくださると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年7月8日 23時) (レス) id: 17ab3ad94f (このIDを非表示/違反報告)
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