役割 ページ35
千里眼は水のあるところでは大きく反響し、その力を強める。
雨の日では強い千里眼を使うことが出来、体力も普段の半分以下の消耗だ。
あとは・・・
貴女「この足で逃げ切れるかどうか・・」
Aの右足は綱道に捕らえられた際、銃で撃たれて負傷している。
立ち上がり、足を引きずれば歩けなくもないだろうが、走ることは出来そうになかった。
そして何よりも叶が歩けなければ、この脱出は非常に難しくなるだろう。
それでも今逃げなければ時間が経つにつれ脱出は不可能になる。
貴女「君の能力と僕の能力を使って脱出する算段としてはこう。」
不安を拭うようにAは話しを紡いだ。
叶を説得する様に、自分に言い聞かせる様に慎重に。
貴女「君の力で雨の日を読んでもらう。
出来るだけ大雨であればあるほどいいけど、あまりにも先になる様だったら曇りでもいい。
綱道は僕を血を採取する日は手枷を外すから、雨であり、僕の採血する日が理想。」
叶「雨の日・・ね。」
貴女「そしてすぐにでもやってもらいたいのが、ここが地下なのかどうかを調べてほしい。
建物の中であれば逃げ出すのは地下よりも簡単だからね。
それがわかったら雨の日に合わせて行動を起こす。」
しばし考える様に間があった。
そして叶は、
叶「そのあとはどうするの？
この場を逃げ出しても、この秘密の研究所とやらを抜け出せそうなの？」
と、訝し気に質問で返した。
貴女「千里眼で出来るだけこの辺りの地理や警備状況を調べるつもり。
この場を抜け出したら、僕の千里眼で道を探りながら、君の能力で敵と遭遇しないように隠れながら進む。
この敷地外へ出たら人込みに紛れて一度体制を立て直す。どう？」
またしばらく間があった。
叶の風を読む能力は人が動いた時に起こる小さな風も感じ取れる。
彼女がいれば死角はない。
必ず敵を避けて進めるはずだ。
叶「わかった、貴女の作戦通りやってみよう。
どっちみち、私はもう貴女に賭けてみなければ死ぬのを待つだけだからね。」
意思を固めたような叶の返答があった。
最後は僅かに自虐もあったが、強い口調で同意してくれた。
決心を固め、自分に命を懸けるつもりで協力してくれている。
これほど安心でき、頼もしい仲間はいないだろう。
貴女「ありがとう。
僕は出来るだけこの辺りの地理を探るから、君は・・」
叶「この場所と天気を読む。これでいい？」
Aの言葉に彼女が合わせた。
苦笑いと共に彼は頷く。
貴女「よろしく頼むね。」
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岬鬼(プロフ) - iwaさん＞お久しぶりです！戻って参りました。 少しずつですが、完結できるよう更新していきます。安定しない活動になるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします！ (2020年10月23日 19時) (
レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - お帰りなさい。これからも無理しないでくださいね。 (2020年10月21日 21時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - kirinさん» kirinさん＞はじめまして！閲覧、コメントありがとうございます！以前から読んでいただけていたなんて、とても嬉しいです！これからも長く更新できない時期があったり、安定しない活動になるかもしれませんが、完結まで頑張って参ります！よろしくお願いします！ (2020年8月11日 16時) (レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
kirin(プロフ) - はじめまして、初コメ失礼します。以前から読ませて頂いていまして、何度も読み返していたので更新再開されたとのことでとても嬉しいです！陰ながら応援しております！ (2020年8月11日 4時) (レス) id: dce83ecbd9 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - iwaさん» iwaさん>ありがとうございます！なかなか安定した更新は難しいですが、努力していきます！気長にのんびり待っていてくださると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年7月8日 23時) (レス) id: 17ab3ad94f (このIDを非表示/違反報告)
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