理性 ページ26
右足に感じた激痛と共に彼は膝をついた。
ドクドクと心臓の音に比例し血が流れると、その血に当てられたかのように羅刹達の目の色が変わる。
羅刹1「血・・、血だ！！」
貴女「っ！！」
爛々としていた赤い眼球が更に光る。
理性のない目は獣そのものだ。
奇声を上げめちゃくちゃに刀を振り上げた羅刹に彼は膝をついたまま敵の足を切り落とした。
貴女「はぁ！」
地面に崩れ落ちた羅刹を一思いに突き刺すと、敵は絶命した。
貴女「っ・・？」
だが奇妙なことが起きた。
獣のように理性を失ったのは先ほどの1人だけ。
他の羅刹は血走った目を見せながらも、ただグッと血に当てられるのを耐えている。
綱道「素晴らしいだろう、私が改良した羅刹は！」
貴女「ええ、素晴らしく軽蔑しています。」
Aの言葉に綱道は彼を睨んだ。
負けじと睨み返し、互いに譲らぬ意志を示す。
だが、先に視線を外したのは綱道だった。
綱道「君にはこの研究の価値などわからんだろう。」
視線を外した綱道はすぐに先ほどとは違う意味を持つ視線を彼に向けた。
品定めをするような、研究対象を見るような、狡猾的な汚れた瞳だ。
綱道「霊異の鬼の血は羅刹達にどのような力をもたらすのかねぇ・・？」
悪寒が走った。
その狡猾的な瞳から伝わってきた感情は吐き気がするほど醜い。
彼を研究対象の動物のように見ている目線にAは激しく唾棄した。
貴女「僕を羅刹のエサにするつもり？」
綱道「エサ？鬼の血を研究すれば羅刹の吸血衝動を抑えられるかも知れない。
大事な被験体をエサになんてしないさ。
ただ少し・・」
血走った瞳が見開かれ、正気とは思えぬ酷く醜い笑みで綱道は叫んだ。
綱道「死んだ方がマシだと思うかも知れないねぇ！」
耳朶に響く笑い声に彼は耳を塞ぎそうになる。
千里眼によって増幅された声は綱道の汚れた心を通ってAに直接響いているようだった。
激しい悪寒に彼は目を逸らしてしまった。
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岬鬼(プロフ) - iwaさん＞お久しぶりです！戻って参りました。 少しずつですが、完結できるよう更新していきます。安定しない活動になるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします！ (2020年10月23日 19時) (
レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - お帰りなさい。これからも無理しないでくださいね。 (2020年10月21日 21時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - kirinさん» kirinさん＞はじめまして！閲覧、コメントありがとうございます！以前から読んでいただけていたなんて、とても嬉しいです！これからも長く更新できない時期があったり、安定しない活動になるかもしれませんが、完結まで頑張って参ります！よろしくお願いします！ (2020年8月11日 16時) (レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
kirin(プロフ) - はじめまして、初コメ失礼します。以前から読ませて頂いていまして、何度も読み返していたので更新再開されたとのことでとても嬉しいです！陰ながら応援しております！ (2020年8月11日 4時) (レス) id: dce83ecbd9 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - iwaさん» iwaさん>ありがとうございます！なかなか安定した更新は難しいですが、努力していきます！気長にのんびり待っていてくださると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年7月8日 23時) (レス) id: 17ab3ad94f (このIDを非表示/違反報告)
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