千里眼の世界 ページ20
武家屋敷から出てきた女が脳裏に浮かぶ。
それを消そうと無我夢中で走った。
その後、立ち止まりAはハッと顔を上げた。
かぶっていた笠はいつの間にか外れ、首にかかった紐の先にぶら下がっている。
荒れた息を整え彼は再び後悔する事になる。
貴女「なんでここに来たんだろう。」
そこはAが近藤に破門された神社だった。
血の海だった境内はすでに元の姿に戻っており、ただ静かに冬の風が駆け抜ける。
貴女「あれ・・、僕・・」
冷静さを失っているのか、はたまた故郷の町の空気に当てられたのだろうか。
千里眼が言う事を聞かなかった。
・・いや、言う事を聞かないとは表現が悪い。
千里眼の使い方を忘れてしまった。
憎イ・・
アイツガ憎イ・・
殺シテヤルッ！
Aは耳を塞いだ。
だが頭に直接響く千里眼の声に耳を塞いでも意味がない。
純粋な思いを強く拾う千里眼は、特に憎悪や恐怖といった純粋で強烈な思いは弱点だった。
使い方がわからない術者にとってそれは己が感情と見分けがつかなくなるからだ。
貴女「私・・、僕がっ・・」
辺りが見えなくなった。
地獄に放り出された様な光景が視界を埋め尽くし、断末魔に酷似した声ともつかない声が響く。
貴女「いた・・、いっ！！」
頭が痛い。
無限に広がる千里眼の世界に放り出されたのだ。
帰り道がわからない。
意識を自分の元に戻さなければ一生千里眼世界を彷徨する事になる。
それだけを理解していたAは酷く焦った。
貴女「っ！！！」
声にならない叫び声を上げた。
憎悪にまみれた千里眼の世界に狂ってしまう、まさにその時。
A・・？
貴女「！？」
誰かが彼の名を呼んだ。
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岬鬼(プロフ) - iwaさん＞お久しぶりです！戻って参りました。 少しずつですが、完結できるよう更新していきます。安定しない活動になるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします！ (2020年10月23日 19時) (
レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - お帰りなさい。これからも無理しないでくださいね。 (2020年10月21日 21時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - kirinさん» kirinさん＞はじめまして！閲覧、コメントありがとうございます！以前から読んでいただけていたなんて、とても嬉しいです！これからも長く更新できない時期があったり、安定しない活動になるかもしれませんが、完結まで頑張って参ります！よろしくお願いします！ (2020年8月11日 16時) (レス) id: 2999d52a99 (このIDを非表示/違反報告)
kirin(プロフ) - はじめまして、初コメ失礼します。以前から読ませて頂いていまして、何度も読み返していたので更新再開されたとのことでとても嬉しいです！陰ながら応援しております！ (2020年8月11日 4時) (レス) id: dce83ecbd9 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - iwaさん» iwaさん>ありがとうございます！なかなか安定した更新は難しいですが、努力していきます！気長にのんびり待っていてくださると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年7月8日 23時) (レス) id: 17ab3ad94f (このIDを非表示/違反報告)
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