【ハイキュー】マジ、女の子は顔じゃないらしいよ。

83　理解していないのは、 ページ9

・






合宿５日目の朝。

色々考えつつも寝落ちしたことにより睡眠を取れた私は、昨日ほど眠くはなかった。


しかし、気分はあまりよく無かった。




『……はぁ、』



……あと二日。

あと二日で、この長くも短くも感じられた合宿も一旦終わりだ


それさえ過ぎれば、取り合えず気まずい彼らとは離れられるのだけど、そんなことするわけにはいかない。

二日のうちに、どうにか最良の言葉を探して伝えたい。

関係が良好のまま、気にせずにいられる関係を。
いや、せめて少しでも、お互いが楽でいられればいい。



……まぁそうは言っても、黒尾とも赤葦さんとも一応区切りはついている。
けど、いつかまた、どちらかがまた行動を起こさなくてはいけない関係にあるのも事実だ。




『あーあ…』



彼らが、ドッキリでした！と笑ってくれればどんなに楽だったか。

嘘ではないことを、その場の彼らの顔と心音で、分かってしまったのだから。
本当に、どうすればいいんだ。

私は、なにをすればいいんだ。



……そんなの、決まってる。


恋愛対象として彼らを見て、その上で答えを探すのだ。

多分彼らも、それを求めているはずだ。






『……はぁ』




本日早々、二度目のため息を溢した。



……そもそも、私みたいな自己中のどこがいいんだろう。


顔だって非常に残念なことに自他共に認める中の中の下。
もしくはそれ以下。

頭もそれほどいいわけではないし、不得意教科によっては赤点をとる場合だってある。

性格は面倒くさがりで厨二の悪化系。
厨二ではないと言い張りたいけど、私の考えを理解できない人間からしたらただの痛い子だ。
理解してくれたからこそ、好意を持ってくれたのかもしれないが、それでもわざわざ私を選ぶ訳が分からない。


というか、恋愛感情を持たれないようにしてきているのに好かれるとか、私って実は普通にしていればモテモテ？

……なんて思ったが、小学生の頃から男子だろうが女子だろうが、私の陰口はやたら顔に集中した。
やめよう。
思い出したら涙でてきた。




……ホント、黒尾も赤葦さんも趣味悪いな。勿体ない。





・

84　モブを演じる主人公→←82　折り返し地点が見えない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す