01:黒尾鉄朗 ページ31
▽
「よぉお前ら」
「わー、てつろーにーさーん」
『久しぶりー…でもないね私は』
彼の家の玄関前で、荷物をもって訪れた私"達"に、小さく笑って片手をあげた黒尾。
「あら?弟氏お前また少し背伸びてね?」
「ハハハ」
「笑ってんじゃねぇ元々そんな高くねーからな」
黒尾に肩に腕を回されて、すっとぼけた顔でかわいた笑いをこぼす我が弟である。
今回、私は弟と2人でいとこである彼の家にきたわけだが、それには理由がある。
それは東京と宮城の距離だと言うのに、毎年数回は交流があった、九条家と黒尾家。それが今年に入ってまだ0だったから。以上。な?
めちゃくちゃ仲の良い母と黒尾母が会うのなら分かるが、たいした用事もないのにわざわざ私たちだけが会う必要性…(震え声)
母上の思い立ったが吉日、「そういえばこの二日間、Aも弟氏も休みよね?私とパパンは仕事あるから…二人で鉄朗くん家に行ってらっしゃいよ!」の唐突な意味わからん思いつき発言から始まった。
私はなんの偶然か高校のバレー部の繋がりで、数週間前の夏の強化合宿も含め、黒尾には数度会っていたが。
……。弟は久しぶりだし、いっか…。
「まぁ入れよ。研磨も呼んだからそろそろくるぜ」
『やったー研磨くんとマリカしよ』
「あ!俺も俺も!4人でしよーよ」
「それ俺とAの最下位争いじゃん」
それもそうだねと何食わぬ顔で言う弟氏に、黒尾が生意気だと肘を喰らわそうとする様子を一瞥して、私は先に黒尾宅にお邪魔した。
……知ってる?
私と黒尾が最後に会ったその夏合宿で、黒尾は私に告白したんだぜ?
話は一旦落ち着いたといえ、いとことか今更だけどわりと気まずくない?
・
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「姉ちゃん、兄さんとなんかあったの?」
『え?ん!?』
「円?」
4人で夜遅くまでゲームして夕飯を食べてゲームして、黒尾と研磨くんは明日部活があると、お開きにした。
研磨くんは近いからと泊まらずに帰った。私と弟氏は1泊して、明日の昼頃にここを出て宮城に戻る予定だ。
今は順番に風呂に入って、私と弟のために客間に敷かれた二つの来客用の布団の上でスマホをいじっていた。
もう寝る時まで一緒にいたがる年でもないので、黒尾は自分の部屋にいる。
そんな中での弟の言葉である。
本当にやめてくれ。
そんなに私は分かりやすかったか!
お前にはあんまバレたくないのに…!
『な、なんで?』
「鉄朗兄さんがめっちゃ見てたから」
お前かーい!
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マニ。(プロフ) - 未確認歩行物体さん» ✉️。この作品もとても面白いです!これからも応援してます! (11月22日 14時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 私、占いツクールで布教活動をしているのですが、この作品のシリーズ、とても好きなので布教してもよろしいでしょうか? (2022年3月24日 22時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
未確認歩行物体(プロフ) - mooさん» はじめまして!わーい、たくさん褒めて頂きとても嬉しいです(*´∀`*)こちらこそコメントありがとうございました!( ´ ▽ ` )/ (2021年8月9日 10時) (レス) id: a04ea61aea (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 初めまして、モテ期到来からの各ルートとオマケまで読めて最高でした!ありがとうございます!! (2021年7月7日 16時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
未確認歩行物体(プロフ) - きゃーぽんさん» きゃーぽんさん、コメントありがとうございます!完結してから4年経った今でも、この作品を見つけて読んでくださった方がいる事がとても嬉しいですヽ(;▽;)ノお褒めの言葉まで頂き、本当にありがとうございます!! (2021年5月18日 22時) (レス) id: d428059590 (このIDを非表示/違反報告)
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