【ハイキュー】残念、女の子は顔じゃないらしいよ。

■黒尾鉄朗の奮闘【起】 ページ12

▽(黒尾視点)







『黒尾お前本気でやれよ！』

「ったり前だろ！パシリなんてやってられっか！」

「姉ちゃんも鉄朗兄さんももう諦めなよー」

「Aとクロ、ゲーム下手すぎ…」

『私が下手なんじゃなくでお前らが上手すぎんだろ…黒尾と共同責任な時点で死亡フラグしか立ってないけどね』

「つーかそれマジ俺のセリフなんだけど。でも最後まで悪足掻きするもんなんだよ」

「……まぁいいや、弟氏はクロやって。俺はAやるから」

「分かった〜」

『ぎゃっ死ぬ死ぬ死ぬ研磨くん容赦ないアーッ！！』
「ぎゃっおい弟氏やめろマジでホントうわあああ」


「……俺と弟氏の勝ちだから、Aとクロはパシリ決定ね」

「研磨のアップルパイと俺のシュークリームよろしく〜」

『ぐっ…！』

「くっそー！」



俺が中三でAが中一のゴールデンウィーク。


旅行好きなAの両親が海外に行ったため、特に興味を示さなかったらしい九条姉弟は俺の家に預けられた。

俺はゴールデンウィーク中の部活がほぼなくて、ほとんど家にいた。


結果、暇をもて余した俺とAと弟氏は研磨の家に突撃訪問したわけである。

それで研磨の家でスマブラしてたんだけど。

ゲーム普通な俺が同じく普通のAと組んで相手がゲームプロな研磨と弟氏とか勝てる望みねぇから…。


ということでゲームで負けた俺とAは少し離れたところにあるコンビニにわざわざ買い物にいくことになった。

ただのパシリな。









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「研磨の好きなアップルパイと、弟氏のシュークリームな」

『私はドーナツにしよ。黒尾はサンマ？いやぁ、コンビニにはないんじゃないかなぁ？』

「あるわけねーだろ。……俺はこれでいーや」

『エクレア？……無理して皆と合わせなくていいよ？？』

「うっせーなここでこういうの選ばなかったらKYじゃねーか！」



Aと二人でコンビニで頼まれたものや食べたいものを買う。

ホントみんな甘いの好きだよな。

しかも負けたやつの奢りでもあるから全体的に敗者に優しくない。



「…そういや母さんに牛乳頼まれてたわ」

『えっコンビニで買ったら高いだろ…』

「ついでだよ。つーかあんま変わんねーだろ…」

『一円を笑うものは一円に泣くぞ！』

「お前いちいちうるせーな！」



まあ、そんなこんなで騒ぎながらようやく会計を終えコンビニを出た。




『………』

「………」




そして、雨が降っていたわけである。




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